食のビッグデータ最強タッグ「クックパッド×ぐるなび」のトレンド分析 #01

「内食」と「外食」の関係が、かつてないほど近づいている

 内食と外食の関係は、表裏一体の近しい関係にあると言われている。かつては外食で流行ったメニューの一部が内食に取り入れられていたが、現在はSNSの普及もあり、内食から外食へという逆転現象も起きている。内食と外食のビッグデータを持つクックパッドとぐるなびの2社が、それぞれの視点からトレンドを紹介することで、日本の「食」の実態に迫る。

「チーズタッカルビ」の流行から食のトレンドが見える

 チーズタッカルビとは、鶏肉と野菜に甘辛いコチュジャンをベースにしたタレを和え、鉄板で焼いたタッカルビという韓国料理に、チーズフォンデュのように伸びるチーズをかけた写真映えのするメニューだ。

 2017年は食メディア各社が内食・外食問わず、こぞってこの料理を「今年を代表するトレンド料理」として取り上げた。まさに、このことが現在の内食・外食で起きている変化を表しているように思う。


 内食と外食の関係は、以前から表裏一体の近しい関係にあると言われてきたが、ソーシャルメディアとスマートフォンにより、その距離はかつてないほど近づいている。

 食は誰にとっても身近でポジティブな気分の醸成や共感を得やすいテーマのため、各種SNSと相性が良く、インターネットメディアとしても一大カテゴリとなっている。アジェンダノートの読者の方々もなんらかの食情報・グルメ情報に毎日のように接触しているのではないだろうか。

 これまで、食のトレンドは料理のプロが起点となる外食で発生して、その中の一部が内食に流れてくると言われてきた。かつては情報の流れが「プロ→生活者」だったからだ。それが今では、ブログ、SNS、レシピサイト、グルメサイトなどを通じて生活者が情報を発信し、それをプロが目にするという逆転現象も少なくないだろう。

 さらに「メディアで紹介された話題の飲食店メニューを作ってみたい」「外で食べておいしかった料理を家庭で再現したい」という場合には、クックパッドのような大量のレシピが掲載されたWebサービスで検索するということも一般的になっていると言える。

 オンラインの動きだけでなくオフラインでも、両者の境目が薄れるような動きがある。近年の中食伸長トレンドをさらに加速させる、軽減税率制度の導入だ。2009年の消費税率アップの際に、内食・テイクアウトは軽減税率制度の対象となる。これにより、飲食店はテイクアウトを、スーパーマーケットは総菜やグローサラント(米国でトレンドになっている食品や食料品店という意味のグロサリー+レストランを組み合わせた造語)をさらに充実させるだろう。
 

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