トップマーケターたちに聞く価値共創時代のマーケティング #26

ビジネスシーンで「価値共創」が成り立つ3つのマインドセット【BIOTOPE佐宗邦威】

 

価値共創に必要な3つのマインドセット


中村 最後に、価値共創をしたいと考えているマーケター向けにアドバイスを教えてください。

佐宗 価値共創は、つくるものが具体的に決まっているほど難易度は低くなります。しかし、その反面、コミュニティへの参加意欲は弱まります。一方でつくるものに不確実性があり、難易度が高いほど、共創の効果が高まります。ただし、これから紹介する3つのマインドセットがあれば、基本的に共創は成り立つと考えています。

1. (過去や現在は関係なく)将来的にやりたいことや、やりたいと思っているかもしれないことを質問して引き出す。
2. 自分にはないが、相手は持っている能力を常に探す。
3. それぞれの能力を掛け算すると、何が生まれるかを想像する。

この3つの要素をもとに「こうなったらいいなと思うことは何ですか?」「本当は興味を持っているけれど、まだできていないテーマはありますか?」「私たちが一緒に行うことで、新しく生まれそうなことは何だと思いますか?」といった問いを、日常会話や営業活動に取り入れてみてください。共創がより促進するはずです。

また、一度共創の環境を整えたら、最後まで見届けてもらう姿勢が大切です。「一緒に未来をつくっていける」という期待感をメンバーに持ち続けてもらうためにも、アップデートされた状況の説明や、関係者を巻き込むことを定期的に実施しましょう。

中村 今回は、具体的にどのように価値共創を推進していくかを聞きました。佐宗さん、本日はありがとうございました。
  
 
中村氏の対談後記
 記事を読んでいただきいつもありがとうございます。
 BIOTOPE CEO佐宗さんとはP&Gの同期でご一緒した戦友ですが、今回久々にお会いして、全く違う人物とお話しさせていただいていると感じました。P&G時代にはとても基本に忠実なマーケターとして周りからも信頼を得ている印象でしたが、今回、今まであまり表で語られていなかったP&G時代直後でのワークショップの学びやイリノイ工科大学の学びなど、ご自身の興味をベースに色々と学ばれ、それらの学びを再解釈・再構築し今の自身の型を作られてきたのだろうなという印象でした。来たるAI時代では自分にあった自分なりの型を見つけていくことがビジネスにもキャリアにもつながると思っているので佐宗さんとの対談は個人的にも非常に勇気づけられる対談でした。
 佐宗さん、ありがとうございました。
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