鹿毛康司、モダンエルダーを目指す #09
鹿毛康司氏がリスペクトするZ世代・今瀧健登氏の成功の秘訣― ジョブ型雇用の実践にみる「やるかやらないか」で生まれる差
アウトプットを前提としたインプットの大切さ
鹿毛 ビジネス書をたくさん読んで、勉強しているんですよね。どれくらい読んでいますか。
今瀧 最近は少ないのですが、昨日は2冊読みましたね。
鹿毛 「昨日2冊読んだ」と平気で言える大人が、30代、40代でいるでしょうか。今瀧さんはなんとなくセンスで仕事をしているのではなくて、ちゃんと勉強しているということ。そこを私たちは勘違いしてはいけないと思いました。
今瀧 はい。もともと書籍を読むのは苦手だったのですが、社会人になってアイデアが出てこないときに、書籍を読むことで大抵のことは解決していました。
また、書籍のビジネスモデルも好きなんです。基本的には、書籍が売れたら売れるだけの印税のビジネスモデルで、成果報酬型に近いんです。質の高い内容の書籍を出版して、再現性が高くないと売れていかない。頑張っていい書籍をつくって、書店側も書籍が売れれば売れるほど儲かるシステムなので、質の高い書籍が書店のランキングに並ぶ。あまり変なバイアスがかかっていない書籍がランキングに並んでいると思っています。
さらに、書籍を読むと著者の経験を代理体験できるので、シンプルに学びがすごく多いなと思い、読み漁っています。
鹿毛 耳がいたいなあ。インプットするだけで何もアウトプットしない人たちも多いですよね。それはどう思いますか。
今瀧 僕はアウトプットありきで書籍は読むべきだと思っています。大学4年生のときに『学びを結果に変えるアウトプット大全』(著:樺沢紫苑、出版:サンクチュアリ出版)を読んでから、そう考えるようになりました。
鹿毛 アウトプットありきということは、アウトプットしたいと思っていることがもともとあるということですか。
今瀧 もともとアウトプットしたいことがある場合もあれば、この書籍でどう人生やビジネスが豊かになるかということを考えながら読んでいることもあります。
書籍を読むときは、基本的にはメモを取っていて、1冊読み終わったときにはネクストアクションがだいたい10個くらいはできています。それをまずはアクションするところから始まります。

鹿毛 これを読んでいただいている方がたに伝えたいところです。
特に40~50歳の人たちは「石の上にも三年」と言われ、まずはこれを勉強しなさい、これを修行しなさいと、とにかくインプットすることが美徳のようにされてきました。そのため、インプットする上で最も重要なアウトプットを忘れていたんですよ。でも、本当はアウトプットしなければいけないんだよね。
今瀧 そうですね。僕は大学生のときに起業をして、全然わからないことが起きたときに、書籍を読むとすべて解決するという原体験があったんです。そこから書籍を読むことは、継続していますね。
鹿毛 でも書籍の中には、自分が抱えている課題・問題に対して具体的にこうしたらいい、という解決策は書いていないじゃないですか。それをどのように具体的なアクションに落とし込んでいるんですか。
今瀧 アウトプットのやり方は、大きく2つあります。
ひとつ目は、自分だったらどう生かせるかという自分ごと化です。これは、できる書籍もあればできない書籍もあるので、書籍選びが重要になります。
2つ目は簡単で、第三者に「この書籍よかったよ」と説明することを想定しながら読んで、学びになったことをまとめるんです。
鹿毛 今瀧さん自身は、何冊の書籍を出版していますか。
今瀧 『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』(クロスメディア・パブリッシング)と、『ニーズの見つけ方&効果的な販促がゼロからわかる! Z世代マーケティング見るだけノート』(宝島社)の2冊です。
鹿毛 次は、何の書籍を出しましょうかね。
今瀧 「エモマーケティング」か「ジョブ型雇用」についてのどちらかだと思います。
鹿毛 僕は「ジョブ型雇用」を書いてほしいかな。特に若手が喜ぶと思います。
今瀧 ジョブ型の書籍を考えたときに、日本には前例があまりないので海外の事例などを参考にしないといけないですね。「日本でジョブ型雇用の会社といえばここ」という会社がまだないと思います。
鹿毛 よく若者が起業して成功したら、「センスがあったんだな」「時代がそうだから」と言って片付けられることがあるけれど、今瀧さんは違います。めっちゃ努力しているし、めっちゃ考えているんだよね。あと、めっちゃ実践している。それを平然とやってのけているところが、今瀧さんのすごいところなんです。