SNS・消費行動から見えてくる20代女子のココロ #05

すべてのマーケターは、優秀な「ナンパ師」を目指すべきだ、という提案【りょかち】

現代のクリエイティブに求められる「展開のスピード感」

 Instagramがビジネス向けの公式ブログで、Instagram storiesの広告制作におけるコツの一つに、「冒頭3秒でブランドを印象づける」と書いている。( 参考:Instagram Businessブログ)コンテンツの離脱が始まる前に、コンテンツのメッセージやストーリーの核となるものを伝えなければならない、と説いているのだ。

 数多くのコンテンツマーケティングに関する書籍を執筆し、2017年にはYouTube再生250万回にも登る「JK流行語」をテーマにした動画をリリースした谷口マサト氏も、この「オチまでの短さ」への指摘を繰り返ししている(参考:「オチまでゼロ秒」Webクリエイティブの四大原理を公開 知れば誰でもコンテンツが作れる)。時代と共に、ユーザーが求めるフリからオチまでの時間がどんどん短くなっているという。
 

 私たちは、知らず知らずのうちに横から見る誰かに「え、ちゃんと見てるの?」と言われるスピードでコンテンツを消費している。10分前にはテレビの前に正座して、じっくり見る一昔前の月9ドラマのための「茶の間」は、すでに日常の生活から消えようとしているのである。

 そして、だからこそ、コンテンツはより「冒頭からわかりやすく・面白く」あることが求められる。

 大量の情報が揺蕩(たゆた)う海の中で、「ウケる」と言わせる一瞬の出会いから、私たちはコンテンツを選び取り、それを日常の「レギュラーメンバー」として閲覧し続ける。日常のレギュラーになれる本命コンテンツは常に激戦区。そこに入り込むのもまた、高度なテクニックが必要なのだ。
 

クリエイティブに求められる「ナンパテクニック」

 それは、さながら「ナンパ」のようである。

 出合い頭の一瞬で、その後に話を聞いてもらうための「フック」を撒き、はじめの数秒に命をかけてアテンションの継続のために尽力する。

 金曜日20時頃の渋谷スクランブル交差点で人混みの中を歩いているときのように、プラットフォーム上で大量の「コンテンツ」とすれ違う時代だ。そこで立ち止まって話を聞かせるためにはやはり、上質な「ナンパトーク」が必要なのである。



 出会ってすぐに、「私は誰」で「素敵なポイントはここ」を知らせることが必要。それがなければ、その後の丁寧につくられたコンテンツの閲覧は存在し得ない。

 周りを見渡してみれば、あらゆるヒット書籍は「わかりやすいタイトル」がつけられ、さらには「図解化」までが求められている。YouTubeの広告では、ユーザーがスキップできない6秒以内に完結する動画も出てきた。

 CMでは冒頭から「○○○と言えば▲▲」を連呼したり、馴染みの曲や名作をパロディしたものも多い。ひと目見ただけで、何も考えないうちに、映像が流れ込んでくる。そんな「ナンパ」してくるクリエイティブが、私たちの「認知」にぽんぽん放り込まれている。
 

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