最先端のマーケティング手法を探る~「VTuber」という新たなマーケティングの可能性~ #6
『妖怪ウォッチ ぷにぷに』がアプリDL数歴代2位を記録した理由 VTuber×ゲームのコラボ成功のカギは?
レベルファイブとカバーの関係深化で、『ぷにぷに』以外のコラボにも発展
―― 1回目の成功があったからこそ、その後もコラボを継続しているのでしょうか。
赤坂 そうですね、コラボの成果が新規ユーザーの数や売上といった数字にすぐに表れました。コラボ期間がスタートして2日目くらいから、早速社内では「次もやろう」という声が挙がるほどでしたので、そこで反対する人はもう誰もいませんでしたね。
現時点で第4弾(2024年9月1日~15日に開催)までインゲームコラボを実施し、毎回大きな反響が得られています。コラボするたびに『ぷにぷに』の中にホロライブのタレントが増え、そのタレントのファンがユーザーとして加わるので、次々に反響が大きくなっていきます。第2回以降のコラボでは、App Storeの無料アプリランキングで1位を獲得したこともあります。
―― VTuberとのコラボならではの難しさはありましたか。
赤坂 それはあまりないですね。ホロライブというIPの中のキャラクターなので、漫画やアニメのキャラクターと同じように、とにかくそのキャラクターのことを理解して、ファンの方々に「こんなのは兎田ぺこらさんじゃない」などと思われないようにすることが大事だと考えています。これはどのIPでも共通して常に意識していることで、VTuberだからコラボが特別難しいということはありません。
加持 そういう意味では、VTuberは実際のタレントとゲーム内のキャラ設定に齟齬が生まれないようにする必要があるので、コラボするタレントが増えれば増えるほど、その確認のプロセスは大変だったのではないですか。
赤坂 そうでもなかったですよ。ただ、カバーさんにとってはあれほどの人数でのコラボは初めてだったと思うので、各タレントさんに『ぷにぷに』でのイラストや必殺技の名前など、ゲームでの細かな部分すべてを確認するのが大変だったのではないかと思います(笑)。
加持 正直なところ、とても大変でした(笑)。ただ、第2弾、第3弾と続いていく中で当社も徐々に体制が整い、監修のプロセスはスムーズにできるようになっていきました。
―― コラボの回数を重ねる中で、改善していったことはありますか。
赤坂 プロモーション配信の数は減りました。何度もゲームに登場したことのあるタレントさんのファンは『ぷにぷに』をすでに知っているので、新しくコラボするタレントさんに絞って配信していただくことで、新規ユーザーの獲得に努めました。
プロモーション配信の内容には細部までこだわっていて、タレントさんには事前に『ぷにぷに』のパズルの遊び方やガチャを引いたときの間延びしない見せ方など、しっかりと我々がレクチャーしてから配信してもらうようにしていました。
加持 正直なところ、パズルゲーム自体をおもしろく見せるのは難しいのですが、レベルファイブさんがさまざまな企画を考えてくださったおかげで、良い形のプロモーション配信に仕上がったと感じています。
赤坂 ありがとうございます。コラボを重ねるたびにプロモーション配信の数が減っていく分、他の方法でどうプロモーションしていくかも考えました。たとえば、ゲームに登場するタレントさん一人ずつにオリジナルのPVを制作したり、妖怪ウォッチのキャラクターとホロライブのタレントさんがコラボしたイラストを制作するなど、見せ方を変えながらコンテンツの数を増やしていきました。
複数回コラボしているタレントさんのファンにも新鮮な気持ちで『ぷにぷに』に興味を持ってもらうための施策を、第2弾、第3弾、第4弾とブラッシュアップして取り組んでいます。
加持 コラボを重ねるごとにレベルファイブさんと我々の関係も深まっているので、インゲームコラボとは直接的に関係ないところでのコラボも増えていますよね。
たとえば、当社の記念日配信に『ぷにぷに』のゲームの映像を流したり、年始のYouTube番組でホロライブのタレントと妖怪ウォッチのキャラクターであるジバニャンがコミュニケーションしたりといったことを実現しています。さらには、妖怪ウォッチのテレビアニメにホロライブのタレントを模したキャラクターが登場して、そのモチーフとなったタレントに声優も担わせていただくなど、常に新しいことに挑戦しています。




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