最先端のマーケティング手法を探る~「VTuber」という新たなマーケティングの可能性~ #6
『妖怪ウォッチ ぷにぷに』がアプリDL数歴代2位を記録した理由 VTuber×ゲームのコラボ成功のカギは?
世界観のバランスの保ち方
―― 今後、VTuberとコラボすることに、どのような可能性・期待を感じていますか。
赤坂 レベルファイブとしては、VTuberさんと新しいことに次々と挑戦していくことをすごく前向きに捉えています。いろいろな作品やIPを生み出すことを得意とするレベルファイブがVTuberやホロライブさんと一緒に何かを取り組むことで、もっと新しいことができるのではないかと期待しています。
『ぷにぷに』とホロライブさんにとどまらず、レベルファイブとカバーさんという企業同士のお付き合いになってきていると感じています。すでに『ぷにぷに』以外にも、東京ゲームショウの番組や『イナズマイレブン』の大会にホロライブのタレントさんである一条莉々華さんが出演するなど、いろいろなタイトルにご協力いただいています。
当たり前のことかもしれませんが、コラボする相手の作品を壊してはいけないと考えています。コラボ先の世界観はもちろんのこと、自社の作品の世界観も守る必要がある。そのバランスをしっかり意識しないと、どちらのファンも離れてしまう結果を招きかねません。インゲームコラボだけでなく、プロモーションの細部にまでしっかりと気を配ることが非常に大切だと思います。
加持 私も赤坂さんの意見に同感です。レベルファイブさんはホロライブ以外にもさまざまな著名なYouTuberやIPとコラボしていますが、世界観のバランスはどのようにして意識していますか。
赤坂 たとえば、SNSでコラボ相手のフォロワーの投稿を見たり、作品とのコラボであればその作品を必ず見たりするなど、しっかりと理解を深めたうえでコラボの内容はもちろんのこと、プロモーション施策も考えるようにしています。
ホロライブさんとの第4弾のコラボでは、タレントさん同士をペアにして登場いただいたのですが、その組み合わせもファンの皆さんに違和感を持たれないことが大事だと考えていました。また、コラボイラストもキャラクターに合った世界観にするよう心掛けました。
加持 当社では、ホロライブの全体ライブにご招待させていただいて理解を深めてもらうなど、取引先の中の方にもファンになってもらえるような施策を行っています。レベルファイブさんのある社員は、気づいたらホロライブのファンになってくださり、もはや当社社員よりも理解度が高いのではないかという域に達していました(笑)。もう絶対的に安心して任せられるなと感じています。
赤坂 ライブなどに足を運んで現地の様子を身をもって体感するというのは大事ですよね。『ぷにぷに』とホロライブさんのコラボキャンペーンでは、オリジナルアクリルスタンドを景品にしました。それはホロライブさんのライブに足を運んだレベルファイブの社員が、現地でアクリルスタンドが一番売れていると感じ、ホロライブのファンはこれを求めているのだろうと考えたからです。コラボする相手のIPに触れる機会が多いほど、やはりそれはプロモーションにも生きてくると感じています。
最近では、『ぷにぷに』のXアカウントに、ホロライブさんとコラボしていない期間でもコメントや「いいね」してくれるアカウントのアイコンが、ホロライブさんのビジュアルになっているケースをよく見かけます。『ぷにぷに』を通じて、ホロライブさんのファンになっていることの表れですよね。『ぷにぷに』とホロライブさん、お互いの認知を高めることができていると実感しています。
加持 『ぷにぷに』の第5弾以降のコラボはもちろんのこと、企業同士でもさまざまな側面からつながりを強化し、今後もお互いのビジネスに好循環を生むことができたらと思います。




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