SXSW現地レポート #02

TwitterがSXSWに凱旋。嫉妬を覚えるほどの企画で、まだ見ぬ潜在能力を披露【奥谷孝司・風間公太 現地レポート】

SXSWは未来を得る場か?

 2回に渡って2019 SXSWインタラクティブの様子を、Trade Showや展示イベントを中心にお伝えしてきたが、まだSXSWを未経験で、来年以降に視察や出展を検討している方も多いのではないだろうか。

 初めてSXSWに訪れ、まず面喰らうのがその規模感。運営側も「SXSWの全貌を知るのは不可能だ」と言うように、膨大な数のカンファレンス/セッション、Trade Showでの出展、イベント/パーティーが、一つの会場だけでなく“街中で同時多発的”に開催される。そのため、事前予習なく参加するのは、暗闇に落としたコンタクトレンズを探すに等しいが、オフィシャルWebサイトでは、参加者の国籍、職種、ビジネス規模、利用しているソーシャルメディアの種類、参加目的などの充実したデータが公開されている。また、明確なテーマも存在しないため、どんなセッションを聴講するべきか等の焦点も絞りにくいが、その示唆となる「Trend」も毎年発表されているので、こういった情報も参考にしていただきたい。

 自動運転自動車やスマートハウスなどの想像できる近未来をSXSWに求めるのなら、それは場違いかもしれない。出展するのに最先端のテクノロジーが必須かと聞かれたら、その答えは否だ。

 予定調和は似合わない、いや、望んではいけない。そう、SXSWそのもの自体がライブのように変化し続けていることが、街中を巻き込んだこのイベントの本質なのだ。

 筆者等が訪れた6年前から、デジタル内での言葉のコミュニケーションだったTwitterは現実空間での展覧会へ、中・長距離移動はタクシーやレンタカーからUberやLyftへ、短距離移動は徒歩から電動キックスクーターへと、体験や社会が大きく変化している。



 そして、そんな体験の変化と社会の変化の橋渡し役を担うのがテクノロジーだ。
テクノロジーが体験を変え、社会を変える様を、ライブを観るかのように鋭く肌で感じることができるSXSWは、テクノロジーを問い、体験を問い、社会を問う姿勢を、これからも見せてくれるに違いない。素晴らしいビールやバーベキューとともに。
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