イスラエルマーケティング月報 #03

監視型社会か、自律型社会か。イスラエルの新型コロナ対応【栗田宏美】

 

最大6カ月の禁固刑に罰金まで。政府の決定には強制力


 イスラエルの対応は早かったです。外出禁止令に踏み切った3月17日は、感染者が337人、死者はまだ出ていませんでした。正直、3月下旬までは、「そこまでしなくても…」と思っていました。

 しかし、3月末に感染者数は5000人を超え、死者数も20人ほどになりました。イスラエルでは、これらコロナ関連の政府の取り決めに強制力があり、違反した場合は刑事罰となっていて、最大6カ月の禁固刑、罰金は500~1000NIS(約1万5千円~3万円)だそうです。道路をパトカーが巡回していますし、食料調達のため街に出ると、なんとなくピリピリした雰囲気を感じます。

 特徴的だなと思ったのは、割と初期段階で補償についてネタニヤフ首相が言及した点です。外出禁止令を正式に出す10日以上前から、損害支援のファンドについて意見を述べていました。

 また、コロナに関する技術のスタートアップには金銭的支援をするということにもなっていて、国の強みを活かしてこの危機を乗り越えようとしている国の強い意志を感じました。
 
スーパーでは卵が入手困難になり、急遽ヨーロッパから輸入しているとか。先日買い物に行ったスーパーの卵売り場には、チョコエッグが置かれていました(笑)

 買占めやスーパーの行列問題も一部ではありますが、私は幸いにもそこまでの現場に遭遇したことは今のところありません。

 ただ、スーパーでよく売り切れているのは卵で、あったとしても「おひとりさま1パックまで」と貼り紙がしてあったり、日本の小売にはあまり陳列されていない、卵液パック(溶き卵が牛乳パックのような容器に入っています)が売られていたりです。今ではスーパーの入り口では検温が義務付けられ、一度に店内に入る人数が制限されています。
 
これ1本に、卵20個分の溶き卵が。試しに使ってみましたが、お菓子作りやオムレツには、これで十分だと思いました。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録