カンヌライオンズ2020リモート・レポート #01

LIONS Live の魅力を解説。カンヌライオンズ2020は中止だけど、無料のリモート・カンヌを見逃すのは、もったいない

 世界最高峰の国際広告賞にしてマーケティング・コミュニケーションの祭典である「カンヌライオンズ(CANNES LIONS)」。名前はもちろん知っているし情報はチェックしているけど、参加費用はかなり高額で、そう簡単にフランスまで行けるものではない。「自分には縁が薄いな」「今年も参加できそうもないな」など、あきらめていた方に朗報です。

今年はリアルでのカンヌライオンズはコロナ禍で中止になってしまいましたが、その分、誰でも無料で参加できる「LIONS Live(ライオンズ ライブ)」が、もともと予定されていた会期の6月22日から26日に行われます。今の時代を象徴するような、いわば“リモート・カンヌ”ですね。
 

コロナ禍で中止。しかし、本来の開催時期にリモート企画が


 こんにちは! 多摩美術大学で広告/マーケティング/メディア論を教えている佐藤達郎と言います。ADK(アサツーディ・ケイ)と博報堂DYメディアパートナーズで長年働いて、10年前から現職となりました。

 カンヌライオンズには2002年に初めて参加してから、昨年までで16回も参加しています。ここ数年は、アジェンダノートでカンヌライオンズ速報記事をお届けしてきました。今年も当然参加しようと準備していたのですが、世界的なパンデミックの影響で中止となり、次回は来年2021年6月となっています。
 
この“密”は、今は避けねばならない。

 しかし、あのカンヌライオンズが1年以上もの間“何もしない”わけはありません。このフェスティバルの事務局は良くも悪くもアグレッシブです。4月20日にはオンライン・イベント「LIONS Live」の開催を発表しました。
 
LIONS Live導入のアナウンス(公式Webサイトから)

 現段階で分かっている概要について、ざっとまとめておきましょう。

①    すべて無料である。

 高額で有名な登録料(参加費)はもちろん、航空チケットも、カンヌライオンズ開催中は何倍にも跳ね上がるホテル代も、決して安くない食事代もすべていりません。メールアドレスで登録し、その時間をとって、ネット上で参加すればいいだけです。

②    「The Work」も見られる。

 20万件を超える過去の受賞作や、1600ものセミナーがある「The Work」が見られるのは、特にお得です。普段、The Workは契約者のみが閲覧でき1年間で15万円ほどかかります。このThe Workが見られるのは、元々開催予定だった現地時間の6月22日から6月26日の間だけ。これは正直、オイシイ!

③    コロナ後についてのトークも。

 カンヌライオンズはすでに2020用に8つのテーマを掲げていました。今回、コロナ禍を経た未来を、その8つのテーマごとに語るセッション(未来を凝視する人たち)も開催されるようです。テーマは、以下の8つです。
 
  1. クリエイティビティこそビジネスの成長エンジン
  2. ブランド価値に立ち戻ろう 
  3. 2030を見据えて:ビジネスを未来にフィットさせる
  4. 適用力のあるクリエイティビティ:データやテクノロジーとアイディアの衝突
  5. 購買における創造的破壊
  6. “大きな”ストーリーテリング
  7. ブランドとは体験である
  8. ブランドパーパスの次に来るもの:アカウンタビリティとアクティビズム

 その他にも、幾つかのセッションが検討されています。もちろん、これらはすべて英語。でも、これを機に英語の上達を目指すのもいいし、あるいは今の時代、テキストであればGoogle翻訳などで、だいたいの意味は十分に分かります。

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