グローバルガイドライン作成に、英語に奮闘中!スイスの「社窓」から #04
突然の「上司の上司」からの依頼。それでも高評価をもらえた仕事術
コミュニケーション領域のヘッドとのやり取りで得た学び
私自身の仕事に関しては、以前より任されることが増え、求められるレベルも良い意味で変わってきています。
そのひとつがエグゼクティブビジネスマネジメント、いわゆる本社の取締役クラスの人へのレポート制作です。マーケティングコミュニケーション領域のヘッド(Head of Marketing & Communication)から、その一部を制作するように指名されたんです。
当初は私の上司が任されていた仕事で、コロナ禍におけるコミュニケーションのガイダンスをつくるためのデータ整備でした。上司は「大変な仕事」だと言っていたんですが、私も他の案件でバタバタしていた頃で、他人事として聞いていたんです(笑)。
でも、話を聞いた翌日ぐらいから、上司とヘッドのやりとりのメールに私が入り始め、ヘッドが「この仕事を慎太郎にお願いしたい」と言い出し、上司が「彼は今、別の仕事をしているから難しい」と答えていたんです。そんなやり取りの中、ヘッドから「慎太郎と取り組むから」とあり、それから直接メールがあり「Please call me」、電話では「資料を送るから、リフレッシュして」と。
しかも、なんと期限は翌日9時。電話を受けたタイミングが昼過ぎでしたから「時間はないけれども、お願いしたい」と言われ、必死で作成してその日の夜に仕上げました。
それで、そのトップが毎日朝にランニングすることを知っていたので、ランニング前のタイミングを狙ってメールを送りました。締め切りの9時に提出するよりも、彼が朝起きたときにちょうど届く状況をつくり、ランニングに出かける前に素早くフィードバックしてもらった方がレポートの質が上がるだろうし、たとえミスコミュニケーションで間違いがあったとしても、すぐにリカバリーできるという個人的な狙いというか思惑です。
そしたら狙い通り、すぐにフィードバックをくれました。コミュニケーションのヘッドだけに、表現のニュアンスからテキストのフォントまで細部にチェックが入りましたが、最終的には「Well done!(よくできている)」という評価をもらいました。
さらにその後、50人ほどが参加する部署の全体会議でも、「このレポートは慎太郎がつくってくれたおかげで、上手くいったんだ」と、私の貢献を明確に説明してくれました。
何気ないことですが、1対1で返すだけではなく、あえて全員の前で伝えることの大事さを実感しましたね。こうされたら部下のモチベーションは上がるじゃないですか。このあたりのフィードバックの方法は、マネージャーとしてとても大事だと思いましたし、私もきちんとメンバーの貢献を周囲に伝えなければいけないなと、考えさせられる出来事でした。