AD STARS レポート
「危機時こそクリエイティブをたたえる重要性が増す」韓国 AD STARSチェアマン インタビュー
韓国・釜山で開催されている国際広告祭 AD STARS。エントリー費が無料で毎年数多くの作品が集まるのが特徴で、昨年は60カ国から2万645作品のエントリーがあった。
そのAD STARSが、世界的な流行を見せている新型コロナウイルス感染症に対応するべく、今年のフェスティバル開催の延期とオンライン移行、新たなカテゴリー「PIVOT」の立ち上げを発表した。
この決定の背景にはどのような考えがあったのか。 コロナ禍における韓国のマーケティング業界の状況や、韓国企業の取り組みについて、AD STARS チェアマンのファン・ジン・チョイ(Hwan-Jin Choi)氏にインタビューを行った。
そのAD STARSが、世界的な流行を見せている新型コロナウイルス感染症に対応するべく、今年のフェスティバル開催の延期とオンライン移行、新たなカテゴリー「PIVOT」の立ち上げを発表した。
この決定の背景にはどのような考えがあったのか。 コロナ禍における韓国のマーケティング業界の状況や、韓国企業の取り組みについて、AD STARS チェアマンのファン・ジン・チョイ(Hwan-Jin Choi)氏にインタビューを行った。
コロナ禍で新カテゴリー「PIVOT」を設立
――「AD STARS」が新しい展開をスタートしました。具体的にどんな取り組みなのか教えてください。
2008年に釜山市と韓国政府の支援を得て創設されたAD STARSも、今年で13回目を迎えます。世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、アワードにおける全審査をオンラインで行うことに決めました。エントリー期間は7月10日まで延長し、受賞発表は8月22日に公式Webサイト上で行います。
リアルで行う展示会やカンファレンス、表彰式は、暫定的に10月22~24日へと延期しましたが、開催可否は直前の状況から判断し、場合によってはオンラインで行うことを想定しています。
韓国でも新型コロナウイルス感染症が流行し多くの混乱が引き起こされ、その影響はクリエイティブビジネスにも及んでいます。この状況の中で広告賞の開催は簡単なことではないと理解していますが、こんなときだからこそ危機の中で輝くクリエイティブの力をたたえる重要性が増していると感じます。
それにエージェンシーが新しい才能やアイデアを最も必要としているときに、そうした意識を高める機会を提供するべきという考えもあるでしょう。これまで同様に、世界中のクリエイターに作品を共有し、世界にインスピレーションを与えられるフォーラムとなることを望んでいます。
オンライン開催は初めての試みですが、すでに洗練されたオンライン審査システムを導入しているため、審査プロセスはこれまでと変わらず、高い品質を保持できるでしょう。
――「PIVOT(ピボット)」という特別なカテゴリーも立ち上げましたね。
はい、新たに追加される「PIVOT」は、ブランドのコアバリューに沿って拡大およびリポジショニングしたキャンペーン、または公衆衛生の先導および経済活性化を通じて新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの克服に貢献したキャンペーンを評価します。
新型コロナは世界経済に大きなショックを引き起こし、多くの企業が存続の危機に瀕していますが、ここで適切なトーンとメッセージのコミュニケーションができなければ、より危険な状態に陥ってしまう可能性があります。
だからこそ、ブランドやエージェンシーがどのような有意義でインパクトのある方法で、コロナ禍に対応しているかを見ることはとても意義のあることだと考えています。そして、そうしたアイデアを祝福することが私たちの使命の一部です。