グローバルガイドライン作成に、英語に奮闘中!スイスの「社窓」から #07
休暇中はメールも確認しない。スイス ネスレ本社で体験した、日本との違い
日本でのイノベーションが評価される
最近、私が日本で取り組んできた経験がネスレ本社でも知られてきて、別部署からの協力要請が増え、関わる領域が広がっているのを感じています。
ネスレ日本では、イノベーションを大事にしています。前CEOである高岡浩三さんが提唱していた「イノベーションのフレームワーク」に落とし込んで、顧客が認識していない問題を発見して新しいアイデアを生み出してきました。
さらに、自分が意味のあるチャレンジをしたいと思ったプロジェクトに対しては、トライアルファンドという試験運用できる仕組みがあり、そこで試して良い結果が出たものを実際に大きく展開することができます。
私が日本で行ってきたメディアのパフォーマンスを上げるデータマネジメントや、エンゲージメントの向上を狙ってつくった映画『カメラを止めるな!』とのスピンオフムービーなどもこのフレームワークから考えました。
日本でやっていたデータマネジメントやコンテンツとメディアの連動の取り組みをグローバルでも検討しており、日本での活動の方向性が間違っていなかったと確信しています。まだ、私の中にもこうすれば、うまくいくという完璧な答えがあるわけではないですが、ヒントを提供したいと思っています。
反対意見をぶつけて、新しいアイデアを導く
普段から取り組んでいる社内外とのコーディネート業務については、新しいことに挑戦をしようと決めたところです。きっかけは、上司との半期面談でした。
グローバルメディアマネージャーというこれまで存在しなかった、誰もしたことのないポジションで仕事を定義づけできている点や、プロジェクトをオンタイムで終わらせている点、特にプロジェクトの課題認識をして、解決までの戦略構築が上手だと、ありがたい評価をもらえました。残りの期間をモチベーションを持ってやれるようにと、半分は優しさだと思っています。
一方で、今後のチャレンジとして、数人でチームを組んでプロジェクトを進行するとき、協力しながらも、チームの中で、全く違う新しい視点をあえて出して、その方向に持っていくことに挑戦してみては、と言われました。
これまでの私は議論の中で意見に賛同したり、賛同しながらも少し変えてみたらと提案したり、というスタンスが多かったんです。
でも、上司を見ていたりすると、すごく良いアイデアのAが出てきたとき、まったく違うBというアイデアをぶつけて、新しいCというアイデアを生み出す能力がすごいんです。視座が違うことと何がベストなのかを常に考えているからだと思います。
たとえば、先週CMOに対するプレゼンテーションのストーリーを議論する打ち合わせがあったとき、上司から「アジェンダにもうひとつ別の部分を入れた方が、もっと良くなるのでは」と提案されました。
私たちは、そのアジェンダまで加えると、決められた1時間に収まらなくなるという理由からネガティブな気持ちもあったのですが、納得感もあったので実際に入れてみたところ、しっかり時間内に収まって、しかもかなり良くなったんです。
今後は、そういうあえて反対意見をぶつけながら、新しいアイデアをつくることにも、チャレンジしてみたいと思っています。