【超速報】カンヌライオンズ2021リモート・レポート #01

カンヌライオンズ2021は、すべてオンライン開催に!【多摩美術大学 佐藤 達郎】

 世界最高峰の国際広告賞にしてマーケティング・コミュニケーションの祭典であるカンヌライオンズ。昨年2020年はコロナ禍で中止となり、例年に増して注目の集まった今年2021年は、例年開催の6月下旬にすべてオンラインで開催されることになりました。

期間は6月21日(月)~25日(金)。毎日BST(英国夏時間)の12時から始まり、曜日によって異なりますが、だいたい20時か21時頃まで行われています。日本時間では、20時から明け方4時か5時までということになります。毎日リアルタイムで視聴していては、とても身体が持ちませんが、大部分のコンテンツは後日オンデマンドで見られるので、自分自身は翌日以降にオンデマンドで見ることも併用しています。

この記事を書いているのは、日本時間6月24日の日中です。2年ぶりに審査される各賞の発表が、水曜日分まで出そろったところです。
 

初の有料オンライン開催。応募作の審査は2020年と2021年の2年分


 こんにちは!多摩美術大学で広告論 / マーケティング論 / メディア論を教えている佐藤達郎です。ここ数年にわたり、このアジェンダノートでカンヌライオンズ速報をお届けし、コロナ禍で中止になった2020年は無料のLIONS Liveについて報告しました。

 私はADKと、博報堂DYメディアパートナーズで長年働いて、2011から現職となりました。カンヌライオンズには2002年に初めて参加してから2019年までで合計16回参加し、毎年のように傾向や特徴を分析、記事で皆さんにお伝えしたり、研究に活かしたりしています。
 
 当初カンヌライオンズ事務局は、「秋以降への延期によるリアル開催」と「例年通りの6月でのオンライン開催」の2つの方向を模索していたようですが、結局、後者のオンライン開催となりました。
 
カンヌの風景もふんだんに使用したオープニング映像。

 通常は参加料だけで50万円ほどになり、高額なことでも有名なカンヌライオンズ(筆者はそれだけの価値はあると思っていますが…)。今回のオンライン版は、249ユーロ(約3万3000円)+税となり、リアル開催に比べればだいぶお得な感じがします。

 とはいえ、3万円以上も支払うのですから、2020年から2021年にかけて3回開催してきた無料のオンラインイベントよりも、大きい満足感が必要になるはずですね。

 また、2020年は賞の審査が行われなかったので、今回は2年分まとめて審査が行われています。以前にもお伝えしましたが、カンヌライオンズの受賞作を見ることは、世界のエキスパートである審査員によってキュレーションされた事例を見るということ。そして、そうした事例は、マーケティングやコミュニケーションの仕事に携わる広範な人々にとても役に立つと考えています。

 そういう意味で、この2年間は長かった! そして今、待ちに待った受賞作の発表が日々、行われています。28あるLION(部門)のそれぞれに通常ひとつのグランプリが選出されます。今回は、1つでもいいし、2020年と2021年それぞれの対象時期から1つずつ、2つのグランプリを出してもいいことになっています。それは、各部門の審査員に任せるという方式が取られています。

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