【超速報】カンヌライオンズ2021リモート・レポート #02

「カンヌライオンズ2021」受賞作 解説。広告は“時代の証人”たり得たか?【多摩美術大学 佐藤達郎】

 

閉店を余儀なくされたバーを応援。ハイネケンのシャッター広告


 もうひとつは、筆者のお気に入り ハイネケンの「Shatter Ads(シャッター・アド)」をご紹介させてください。アウトドア部門のグランプリ受賞作です。

 コロナ禍でロックダウンされ、閉店を余儀なくされたバーやレストランを応援しようと、ハイネケンは通常のアウトドアのメディア費を削減し、その資金で多くのお店のシャッターに広告を載せ、お店に対してその掲載料を支払いました。



 広告にはハイネケンからのメッセージとして、例えば、「See this ad today, enjoy this bar tomorrow.(今日はこの広告を見て、明日はこのバーで楽しもう)」といったコピーが書かれています。

 ビール会社にとってバーなどのお店は、いわばパートナーです。そのパートナーがコロナ禍で苦しんでいる時に、広告掲載料を支払うことで直接的に応援したわけです。

 気が利いていますよね。僕は、これぞ“広告的機転”と嬉しくなりました。広告に出来ること、広告ビジネスに出来ることは、まだまだたくさんありそうです。
 
ハイネケン“Shutter Ads”の事例ビデオはこちらで見られます。

 今回は2つのグランプリ受賞作をご紹介しました。今回は例年に増して豊作っぽいので、様々な受賞作をまだまだゆっくりと吟味して、いろいろなヒントを見つけて行きたいと思います。
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