AD STARS レポート #01

パラオの誓約、コカ・コーラの音楽キャンペーンがグランプリ、韓国・釜山「AD STARS 2018(アドスターズ)」現地レポート

パラオとコカ・コーラの企画がグランプリ受賞

 AD STARSのカテゴリーは30に分かれています。そして、各カテゴリーのグランプリから2作品を「グランプリオブザイヤー」に選びます。

 2018年の「グランプリオブザイヤー」は、パラオ共和国の「PALAU PLEDGE(パラオの誓約)」が選ばれました。今年のカンヌライオンズでも3部門でグランプリを獲得していたため、ご存知の方も多いと思います。


 観光産業で成り立っている南太平洋にあるパラオは、観光客による環境破壊が課題でした。そこで、入国スタンプを環境保護のための誓約文が入ったものに変更して、サインしなければいけないようにしたのです。これは環境保護を対象とした、世界初の入国関連の改革で、この誓約文はWebサイトやグラフィックなどにも展開しています。

駐日パラオ共和国大使館ホームページより
http://palauembassy.or.jp/blog/2017/12/palau-pledge/#.W4iXdJP7SCQ
 審査員である、FCB New YorkのAri Halperさんは、「パラオの誓約は、“Beautiful idea”。人口の少ない小さな島のキャンペーンが、多くの人に広がったことが素晴らしい。さらに、実際にスタンプを変えることの難易度が高いなか、政府にそれを実行させたことが、どんなに大変だったのか想像もつかない」と評価しました。
 

 二つ目のグランプリは、コカ・コーラの「Coke 1000+ Name Celebration」です。コカ・コーラはボトルに名前を書いたキャンペーンを行って成功していましたが、それをさらに発展させて、1000以上の名前の入った音楽を45人のミュージシャンがつくりラジオで流すというキャンペーンでした。


 審査員であるJWTのGuan Hin Tayさんは、「ブランドがデジタルトランスフォーメーションを成功させた素晴らしい例。ただのボトルがシェアできる“パーソナルデータ”に変換された。データを正しく使っただけではなく、自分の名前の入った曲をもらって、嬉しくない人はいない」と語っていました。
  
AD STARS 作品展示風景。

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