「POSSIBLE」現地レポート #02
ロックの神様 ジョン・ボン・ジョヴィが「AI」を語る、POSSIBLEを現地・米国フロリダからレポート【電通 森直樹】
2023年4月17日から19日にかけて、米国・マイアミで北米最大級のマーケティングカンファレンス「POSSIBLE(ポッシブル)」(主催:Beyond Ordinary Events, Inc.)が開催している。
POSSIBLEは「マーケティング、コミュニケーション、テクノロジーの未来」をテーマに、世界でも権威と経験のあるトップマーケターが5000人以上参加する場になる。初開催の今年は、マーケティング関連企業が80社以上スポンサードするなど注目度も高い。
今回は、筆者自身が「POSSIBLE」に参加して感じたことを現地レポートとして、夏のような陽気で気分も高揚するフロリダよりお届けする。
POSSIBLEは「マーケティング、コミュニケーション、テクノロジーの未来」をテーマに、世界でも権威と経験のあるトップマーケターが5000人以上参加する場になる。初開催の今年は、マーケティング関連企業が80社以上スポンサードするなど注目度も高い。
今回は、筆者自身が「POSSIBLE」に参加して感じたことを現地レポートとして、夏のような陽気で気分も高揚するフロリダよりお届けする。
POSSIBLEは、北米アドテク業界のダボス会議?
Twitter 最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏の登壇レポートからスタートした「POSSIBLE」現地レポート。第2弾は、初日のキックオフパーティーの様子と、マスク氏に続く注目ゲスト、ロック界のスーパースターであるジョン・ボン・ジョヴィ氏の基調講演をお送りする。
まずは、初日に行われたナイト・ネットワーキングパーティーからお届けする。パーティでは、本イベントの主催会社のCEO & Co-Founderであるクリスチャン・マシュー氏が登壇した。同氏は、世界有数のデジタルマーケティングの展示会であるDMEXCOの共同設立者として、革新的なビジネストレードショーのコンセプトを生み出した人物だ。
今回のカンファレンスについては、「アドテクノロジー領域のダボス会議」と評して、2日間に渡って魅力的なセッションが多く用意されていると語った。また、Googleをはじめとして多くのスポンサー企業からの支援、さらにパートナー企業とブランド企業の参加に謝意を表明していた。
ボン・ジョビ氏が考えるAIとの共存
3日目のセッションでは、ロック界のスーパースターであるジョン・ボン・ジョヴィ氏と、米国最大のオーディオメディア企業であるアイハートメディア 会長 兼 最高経営責任者のボブ・ピットマン氏が登壇した。
ピットマン氏は冒頭で、ボン・ジョビ氏について、世界で1億5千万枚のアルバムを販売したアーティストとしての功績以外にも、ワイン会社を創業し成功を収めたビジネスパーソンであり、偉大な慈善家さらには強い政治的な信念を音楽に反映させるアーティストであると紹介した。
ジョン・ボン・ジョヴィ氏とボブ・ピットマン氏が対談する様子
続けてピットマン氏は、昨今のAIの熱狂ぶりについてボン・ジョビ氏に話を振ると「AIにインタビューアーをしてもらい、代わりにピットマン氏には旅行してもらいたい(笑)」とユーモアを交えて語った。
ボン・ジョビ氏は、シンガーソングライターのザ・ウィークエンドのAIマッシュアップコンテンツに触れて、「昨日、ザ・ウィークエンドの楽曲のAIによるマッシュアップを初めて聴いて恐れを感じた。しかし、真実がいつも勝つと願っている。本物のアーティストが書いた本物の歌が最終的には勝利を収めると信じている」と語った。さらにAIの熱狂に対して「AIは善にも悪にも使われることがあるので、細心の注意を払いましょう」と警鐘を鳴らした。
また、ボン・ジョビ氏は多様性や人々の繋がりについて、「米国に50州あれば、50個の多様な意見があり、異なる価値観を持つ人々が声を上げるべきである。ソーシャルメディアの存在のみならず、かつて人々が直接繋がれる機会が失われていることに課題意識を持っている」と述べた。
さらに、「ボン・ジョビ、リーバイス、キャデラック、コカ・コーラのようなブランドは永遠に存在し、米国の両極端な人々(沿岸地域と、そうでない地域)の中核的な価値観を代表している。この価値観は、正当である」と語った。