「ADFEST」萩原幸也氏レポート #7

アドフェスト2026レポート:クリエイティビティが「人間に効いている」受賞作たち【リクルート 萩原幸也氏】

 

アドフェスト2026 受賞作品その2:「課題」を軽やかに解決するアイデア

 

ゲーマー歓喜?ゲームしながら食べられるラーメン

広告主:HARAKU RAMEN
作品タイトル:「ONE NOODLE」
受賞内容:PR Grandeなど

つまり、ゲーミングラーメンです。インドネシアの新進麺ブランド「HARAKU」が、若年層の消費者、特にゲーマー層の間で存在感を示して認知度を高めることを課題とし、全長3.5メートルの一本麺のラーメンを開発。麺をずっとすすれるので、ゲームを中断することなく食事を両立できるというわけです。実際に期間数量限定で販売され、話題が広がり数週間で完売したそうです。


 

HARAKU RAMEN「ONE NOODLE」
 

Z世代の子と親の世代間の溝を埋める「リング」

広告主:SNACK JACK RING
作品タイトル:「MOTHER STRIKE」
受賞内容:Film Grandeなど

フィルムの受賞作です。ぜひ映像をご覧ください。
タイでは、家族の絆や親の権威が文化的に重要な役割を果たしている中で、子どものスクリーンタイム、ゲームのプレイ時間が問題となっています。ゲームはZ世代の日常生活に深く根付いている一方で、多くの親は依然としてそれを「共有するもの」ではなく「気を散らすもの」と見なしています。

ちなみに、スナック菓子ブランド「スナック・ジャック」の新商品「スナック・ジャック・リング」は、リング型で、一体感・包摂性・相互理解を意味するタイ語の表現「ワン・サークル(one circle)」を表していると言います。


 

SNACK JACK RING「MOTHER STRIKE」

いかがだったでしょうか?

今回取り上げた受賞作を振り返ると、アドフェスト2026のテーマ「Human+」が、単なるAI時代のスローガンではなかったことがよく分かります。評価されていたのは、テクノロジーそのものの新しさではなく、それが人の不安を減らし、生活を助け、つながりを生み、文化の中で意味を持って機能しているかどうかでした。

家族を探し出す「GARUDA RAKSHAK」、住まいを守る「HAVEN」、ゲーム中でも食べられる「ONE NOODLE」、親子の距離をユーモラスに描いた「MOTHER STRIKE」。どの作品にも共通していたのは、ブランドが一方的に語るのではなく、人の現実に入り込み、役に立ち、感情を動かしていたことです。

「Human+」とは、AIと人が共存するという抽象論ではなく、クリエイティビティが人間の側にきちんと効いている状態を指す。そんな今年のアドフェストの基準が、受賞作からはっきり見えてきました。

本稿でご紹介した作品以外の受賞作も、こちらのサイトからすべて閲覧が可能です。

次回の記事は、実際に審査をされた審査員の皆さまから、審査結果や印象深かった作品に関してコメントをいただいています。ぜひご覧ください。
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