カンヌライオンズ2026
「応募数25%減」の理由は?「日本勢不振」は本当か? カンヌライオンズ2026で気になった4つのポイント
2026/08/06
さて、カンヌライオンズ2026から帰国してしばらく経った7月30日に、この記事を執筆しています。今年の速報の最後は、事例の紹介ではなく、今年また現地参加してみて、気になったポイントを4つ列記していこうと思います。
ポイント1:「AI時代だからこそ、エモーションを!」の気運は、人気のセミナーでも
「AI時代だからこそ、エモーションを!」という気運は、会場のあちこちで感じられました。受賞事例にもいくつか見られたのですが、ここではセミナーをひとつご紹介しましょう。
ユニリーバ ビューティ&ウェルビーイングCMO レアンドロ・バレット氏による「Who Carries the Fire?(その火を運ぶのは誰?)」と題されたセミナーです。
このセミナーでは、冒頭、ステージ中央に“焚火”のようなものと椅子が置かれていました。登場したレアンドロ氏は、椅子に座り、一緒に焚火を囲む友人に語りかけるように話し出します。少しすると、ステージ中央に立ち上がって話し出しましたが、大スクリーンに映し出されているのは、炎。会場全体を、焚火を囲む語り合いの場のように見せる工夫でしょう。

ユニリーバの焚火をモチーフにしたセミナーの冒頭
セミナーの内容は、
「人は古代から焚火の周りで語り合ってきた」
「自分たちの製品も、現代における“焚火の周りでの語り合い”にあたるところで話題にしてもらうことを目指している」
「その意味で、従来のマーケティングの手法や、いわゆる広告キャンペーンに縛られない展開を心がけている」 といったものでした。
レアンドロ氏の語り口は、全体的に非常にエモーショナルなものでした。もちろん、内容はロジカルでもあったのですが、語り口自体もロジカルな調子が多いセミナーの中では、出色の存在感で強いインパクトを残し、終了時の拍手や歓声もひときわ大きいように感じました。「AI時代だからこそ」が強く意識された内容と演出だったと言えると思います。
ポイント2:インハウス・エージェンシー VS 広告内製化
昨年新設されたインハウス・エージェンシー・オブ・ザ・イヤー、今年度はアップル・クッパチーノに与えられました。クッパチーノというのは、アップル本社のあるシリコンバレーの町の名前です。数年前から、カンヌライオンズにおけるアップル社からの応募作の多くは、応募主体として「アップル・クッパチーノ」と記載されていて不思議に思っていたのですが、インハウス・エージェンシーの呼ばれ方ということであれば、納得がいきます。なお、アップル・クッパチーノという名前の会社は、調べた限り存在しませんでした。
セミナーのひとつでは、テーマが「インハウス・エージェンシーか、外部のエージェンシーか?」となっていた(編集部注:I&CO レイ・イナモト氏らが登壇したセッション「DEBATE: Inside Out: In-House or Agency?」)ことからも、欧米でもこの話題はホットなようです。
しかし、日本で言う「広告内製化」とは、かなりニュアンスが異なることにも注意する必要があります。「広告内製化」はAIを活用してブランド側社内の“非専門家”がクリエイティブ制作を試みることを指す場合が多いのに対して、インハウス・エージェンシーは、あくまでも、クリエイティブやプランニングの“専門家”を社員として雇っている状態を指すようだ、ということです。
この違いは、大きいと思います。ここも今後、掘り下げて行きたいところです。




メルマガ登録















