London International Awards

ロンドン・インターナショナル・アワーズ(LIA)開幕、9日間の会期が進行中

 

40年の歴史を持つ「クリエイターのために創られた賞」


 国際広告賞「ロンドン・インターナショナル・アワーズ(London International Awards、以下LIA)」が今年も開幕した。9月25日から10月3日までの9日間にわたり、米ラスベガスで審査が行われている。

 LIAは1986年に創設され、「Created for Creatives(クリエイターのために創られた賞)」を掲げてきた国際的なクリエイティブアワードだ。創設から40年を迎え、その審査領域は大きく広がっている。

 創設当初、審査対象はCinema、TV、Print、Radioの4カテゴリーだったが、今年は32カテゴリーに拡大。広告、デザイン、パッケージデザイン、データ、テクノロジー、クラフト、ヘルス、ファーマ、ミュージック、PR、イノベーション、ストラテジー、B2B、ビジネス変革、ブランデッドコンテンツ、メディアなど、多岐にわたる領域のクリエイティブを対象としている。

 審査は、ラスベガスのアンコール アット ウインで実施される。LIAの大きな特徴のひとつが、事前審査を一切行わないことだ。審査員長を含むすべての審査員が現地に集まり、初期審査から最終ラウンドまで、すべての審査工程に参加する。

 すべての作品を等しく審査することを重視しており、単に作品を評価するだけでなく、その背景にある文化や文脈、考え方を共有しながら議論を重ね、受賞作を決定していく。
  
  

 またLIAは、主要な国際広告賞の中でも1年の後半に開催される。応募対象期間は前年7月から当年8月までの14カ月間に設定されており、他の主要アワードにはまだ応募していない、公開されたばかりの作品もエントリーできる点が特徴だ。

 審査プロセスの透明性もLIAが重視する要素のひとつ。プレスや、若手クリエイター育成プログラム「Creative LIAisons」の参加者などに審査室を開放し、実際の議論や審査の様子を間近で見学できる仕組みを設けている。
 

「民主主義と人権」など6つの新カテゴリー


 今年のLIAでは、「SPORTS(スポーツ)」「GAMING(ゲーミング)」「CULTURAL CATALYST(カルチュラル・カタリスト)」「ENTERTAINMENT & CONTENT(エンターテインメント&コンテンツ)」「BUSINESS TRANSFORMATION(ビジネス・トランスフォーメーション)」「DEMOCRACY AND HUMAN RIGHTS(民主主義と人権)」の6カテゴリーが新たに加わった。

 単に媒体別のカテゴリーを増やすのではなく、スポーツやゲーム、エンターテインメント、カルチャー、社会といった、人々の関心や活動が集まる領域において、クリエイティビティがどのような価値や変化を生み出したのかを評価しようとする点が特徴だ。

 各カテゴリーの概要は以下の通り。

1:SPORTS(スポーツ)
 スポーツにインスパイアされた、独創的でインパクトがあり、文化的意識に富んだ作品を表彰する。スポーツおよびアスリートの持つ力を活用してオーディエンスとつながる創造性、スポーツのドラマ、感情、そして一体感を捉え、ブランドおよび文化の双方にインパクトを与える作品を評価する。

2:GAMING(ゲーミング)
 デスクトップ、モバイル、ウェブ、バーチャル、またはWeb 3.0プラットフォーム向けのビデオゲームおよびゲーミフィケーションされたインタラクティブメディアをクリエイティブに活用し、ブランド体験を創出する取り組みを対象とする。

3:CULTURAL CATALYST(カルチュラル・カタリスト)
 重要な文化的インパクトを生み出すクリエイティビティを評価する。レレバンシー(関連性)が高く、議論を喚起し、トレンドを創出し、文化的対話の中に自然に組み込まれる作品が対象。この新カテゴリーは文化と不可分であり、マーケティングを独自性の高いコンテンツへと変換する。

4:ENTERTAINMENT & CONTENT(エンターテインメント&コンテンツ)
 ブランド、商品、またはサービスをマーケティングするためにエンターテインメントを活用したストーリーテリングを表彰する。従来のマーケティングの枠をはるかに超え、純粋なエンターテインメントと区別がつかないほどにオーディエンスを魅了する作品を評価する。映画、テレビ、ゲーム、モバイル、ライブイベントなどのエコシステムを活用する取り組みが対象となる。

5:BUSINESS TRANSFORMATION(ビジネス・トランスフォーメーション)
 クリエイティビティは、キャンペーの中にのみ存在するものではない。今や、企業の業務オペレーション、サービス、製品、社内体験、顧客体験を含む、持続的なビジネス変革においても重要な役割を果たしている。本カテゴリーでは、顧客向けにソリューションを促進する取り組みを評価するのではなく、ソリューションそのものを評価する。

6:DEMOCRACY and HUMAN RIGHTS(民主主義と人権)
 世界中で民主主義と人権の価値を積極的に促進・強化するクリエイティブな活動を評価する。人権、表現の自由、公正な代表性、説明責任、そして民主主義の繁栄と人権の保護を可能にする、基本的自由に対する人々の関心を喚起するコミュニケーションやアイデアを表彰する。単にこれらの原則を説明するのではなく、地域、国家、大陸、あるいは世界規模において、それらを保護・推進するようオーディエンスを動機づける作品であることが求められる。政党または政治候補者のための作品は応募対象外。

 

日本からは7名が審査に参加


 審査員には、世界各地の第一線で活躍するクリエイティブリーダーやアートディレクター、プロデューサー、CMOなどが名を連ねる。

今年、日本から参加する審査員は以下の7名。

■Creative Strategy 部門
ビュブリシスグループ ヘッドオブコンテンツ&ビジネス
Rish Gopal 氏
■Creativity in PR 部門
本田事務所 代表/PR ストラテジスト
本田 哲也 氏
■Design / Package Design 部門 【審査員長】
dentsu Japan エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/グロースオフィサー
八木 義博 氏
■Design / Package Design 部門
The Coca-Cola Company デザインマネージャー
高木悠子 氏
■Evolution, Gaming and Creative Use of Data 部門
ADK エグゼクティブクリエイティブディレクター/デジタルグロースオフィサー
小林 慎一 氏
■Music & Sound 部門
Black Cat White Cat Music 共同創設者 兼 CEO
松宮 聖也 氏
■Digital and Creators / Social Platforms 部門
サイバーエージェント クリエイティブディレクター 
中橋 敦 氏

 LIAでは、世界各地から集まる作品を公平に評価するためには、その背景にある文化や地域固有の文脈への理解が不可欠だと考えている。そのため、各国・地域の文化的背景を審査の場で共有できる人材を配置し、作品が本来持つ価値を適切に評価できる環境づくりを重視している。日本から参加する審査員にも、日本独自の文化や社会背景、クリエイティブの文脈を審査の場に伝える役割が期待される。

 また、審査員の選出にあたっては、質だけでなく多様性も重視。地域、企業、ネットワーク、独立系エージェンシー、クライアント企業などから幅広く選出するとともに、同一の審査パネルに同じ企業・ネットワークから複数の審査員を配置しない方針を採っている。

 各部門の審査結果は、9月30日(現地時間)から順次発表される。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録