中国の「リアルな生活者」の姿を追う #01

中国人の「車」選択の基準は、すでにAIとボイス? 日本や米国よりテクノロジーに好反応

テックライフの進化には、都市差と年代差がみられない

 さらに、今回の3カ国定量調査で分かったことは、中国生活者のほとんどがテクノロジー生活をポジティブなイメージ(肯定的な回答の割合:中国97%、アメリカ66%、日本52%)で受け止めているということでした。

 テクノロジー商品・サービスの利用が日米と比べても進んでおり、かつ都市間の差や年代の差もないほどに、幅広い生活者の中にテクノロジーが浸透していることが明らかになっています。

 下のグラフに見られるように、1級、2級都市(本調査は、北京、上海、広州、天津、成都、重慶、武漢、西安、鄭州で実施)の比較でも、ほぼ差がない状態まで、すでに浸透しており、20代の若者世代から50代の年配世代に至るまで、年代別に見てもほぼ差がない状態まで浸透している、という結果となりました。

 従来は、商品やサービスが時間をかけて、沿岸部から内陸部へ、若年層から年配層へと、少しずつ浸透していく傾向が多かったのですが、テクノロジー生活においては、そのタイムロスが少なく、一気に幅広い層にまで広がっているという特徴が見られています。
 
■デジタル商品・サービスの利用率(地域別、年代別)


 次回は、テックライフが進んでいる中国市場における、生活者の生活行動、購買行動、情報行動における変化の兆しとその欲求に対する解釈を紹介する予定です。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
 

*調査概要:「中日米3ヵ国テクノロジー生活調査」

対象国
中国: 1級都市(北京、上海、広州)2級都市(天津、成都、重慶、武漢、西安、鄭州)
アメリカ: ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ
日本: 関東、関西、東海エリア
対象者条件
スマートフォンを個人で所有する20~59歳男女
中国1級都市 家庭月収 7,000~30,000元
中国2級都市 家庭月収 5,000~20,000元
※日本、アメリカは収入条件はなし
サンプル数
中国:2,000人
アメリカ、日本:各1,000人
調査手法
インターネット調査
調査時期
2018年10月
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