自分の「ラーニングカーブ(学習曲線)」を意識しよう
——富永さんは、コダックに始まり、日本コカ・コーラや西友、ドミノ・ピザ、イトーヨーカ堂など、さまざまな企業でマーケティングを経験してきました。複数の企業を経験してきたという経験も大きいのではないでしょうか。
そうですね。ラーニングカーブ(学習曲線)ってありますよね。縦軸が学習量、横軸が時間になっていて、最初は右肩上がりに伸びていくのだけど、時間が経つごとに徐々に成長が鈍化して平坦になっていきます。
ひとつの会社で30年働くことは立派だけれど、どうしても時間が経つと成長曲線が平坦になっていき、「こんなときは、こうする」というパターン認識で仕事をするようになる面があります。
でも、カーブの傾斜をのぼりきったタイミンングで転職すると、パターン認識は覚えられないけれど、色々な業界の知識を吸収できて、引き出しが爆発的に増えると思うんです。だから、自分のラーニングカーブを意識することは大切ですね。
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——現代は、マルチキャリアやスラッシュキャリアなど、副業にも注目が集まっています。富永さんは、どうお考えですか。
違うことを考えている脳同士が刺激し合うことがあると思いませんか。例えば、月曜日にリテールのことを考えて、火曜日にAIのことを考えると、それぞれ違う回路がうまく触発しあって、アイデアに深みが出ると思うんです。副業すると、それが強制的にできますよね。
あとは、副業しなくても、会社の中でいつもと違うことをすると、昨日の脳と今日の脳が触発し合うんじゃないでしょうか。意図せずとも自分がバージョンアップできれば、「モテ人材」になれるかもしれません。
——富永さんは、今後のライフプランやビジョンについてどのようにお考えですか。
自分のしたことを誰かが認めてくれるというのは、気持ちがいいことです。誰かから期待されて、きちんとした報酬があって、自分の好奇心を満たせる知的な楽しみがあれば、働かない理由はないですよね。
なので、死ぬまで仕事をするかな(笑)。
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