ベンチマークするのは、業種ではなく業態
靴下業界は、既に棲み分けができていて、客層が違うため競合として戦っているという認識はないそうです。そのため、量販型の衣料品専門店をベンチマークしていないとのこと。
かつて、そうした専門店を調べたとき、良い靴下であっても次のシーズンにはその商品が残っていなかったそうです。その理由は、そこが靴下専門店ではないからだと語ります。つまり、例えば1足800円する靴下を買いに来るお客さまは少ないということです。
逆に専門店として業績の良い、別業種であるコスメショップや人気ブランドショップなどを研究していたそう。業種違いの専門店は追いかけるけど、靴下を置いている量販店は追いかけない。ベンチマークするのは、業種ではなく業態のようです。
「代理購買」から「直接購買」へ
ところで皆さんは、靴下、鞄、シャツなどを自分で選んで買っていますか。越智社長曰く、カバンかシャツであれば、機能やデザインなど、様々な選択肢を提供している企業があるけれど、靴下にはなかった、そうです。
だから、男性は良い靴を履いていても靴下は量販店で、しかもパートナーの女性が買ってきた、いわゆる代理購買の商品を履いている人が多くいます。これは、「靴下業界が努力を怠ってきたからだ」と語ります。

そこで、タビオは男性の足元をオシャレにするため、男性用靴下の専門店を出店することで、直接購買に繋げています。その結果、売上を10年で10倍にすると宣言し、実際に8年で5億円から35億円にしました。あと2年で、50億円を目指しています。