「旅×○○」で長期滞在化を目指す
――いま特に強化して、取り組んでいることはありますか?
もともと東京五輪が開催されるタイミングで始めようと思っていたことが、2つあります。ひとつは、「旅×働く」の発想で生まれたワーケーションセンター。もうひとつは、「旅×健康経営」の考えから生まれた診療所の開設です。
沖縄は2泊3日や3泊4日の滞在が9割を占めており、これからは長期滞在型のビジネスモデルの創出が必要だと言われています。ただ、日本人を長期滞在させようと思うと、どうしても仕事という弊害が付きまといます。それならば、既存の旅に「働く」を掛け算して、旅先でも働けるようにしたいと考えたんです。
そして、せっかく長期滞在するなら健康になってもらいたい。メディカルチェックや健康プログラムを実施し、帰るときには「中性脂肪が落ちていた」ということを実現できれば、長期滞在の意味がさらに生まれると思い、診療所をつくろうと計画を進めています。
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―― コロナ禍でリモートワークが一般的になりましたし、旅先で働くモデルが実現しやすくなりそうですね。
そうなんです。日本人の長期滞在は社会全体が認めてくれなければ、実現できないと考えていました。しかし、コロナをきっかけに認めてもらえる環境になってきました。
カヌチャリアンリゾートオフィス(ワーケーションセンター)は、10月1日にオープンしました。部屋で仕事をすることもできますが、家族が一緒にいると集中できないという声が多いため、リゾートオフィスに出勤して仕事をすることで、オンとオフの区別ができるようにしています。
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今年はコロナで流れてしまいましたが、沖縄北部「やんばる」が世界自然遺産への登録が予定されています。インバウンドがいつ復活するかは分かりませんが、アジアだけでなく金銭的に豊かな欧米豪のマーケットも狙っていきたいと考えています。