数値的にも大きな効果を実感


―― スポンサー企画により得られた商品販売数などの定量的な成果と、ファンからの反応などブランドへの定性的な効果についてもお聞かせください。

増田 ミツカンさんとコラボレーションして、2023年に販売した金色の30周年記念ユニフォーム1200枚と、2024年に販売した黒い3rdモデル1500枚(ゴールキーパー版を加えると1700枚)は、2年連続で即完売しました。このような売れ方をしたのは初めてでした。特に、ミツカンさんのロゴが最初に入ったときには、さまざまなメディアで多く取り上げられたので、ジュビロ磐田にとっても大きな広告効果があり、ミツカンさんには感謝しています。
  
ジュビロ磐田の2024年シーズンの3rdモデルで、2023年と同じく右鎖骨にミツカンのロゴが入った黒いユニフォーム

また、2024年9月のmizkanマッチ実施後に、ファンクラブ会員約1万4000人に対してアンケートを取ったときは、なんとメールの開封率が55%でした。一般的なアンケートでは開封率は数%なので、55%は非常に驚きました。

また、スポンサー契約後に「ミツカンさんの商品への購買意欲の変化」を質問した結果、回答してくれた人は約4100件で、そのうち「非常に高まった」「高まった」という回答が約9割という結果になり、これまでにない効果を感じました。

ジュビロ磐田のファン・サポーターがミツカンさんのファンになったという証が、数字を通してもわかりました。また、「ジュビロ磐田のオフィシャルショップや試合会場でもアドミツカンのコラボ商品や、ミツカンさんの既存商品を売ってほしい」といった声も非常にたくさんありましたね。

田中 それは本当にありがたいことです。ジュビロ磐田さんのファンからミツカンに対する好意度が高いということは、必然的にミツカンの売上にもつながっているはずです。私たちはLTVの向上を目標にしているので、その観点でマーケティング施策としても、事業貢献という視点でも、非常に大きな意味があったと感じています。

根鈴 ジュビロ磐田さんがミツカンさんとコラボレーションしたサードユニフォームは、販売開始から数分で完売していましたよね。これまでにない驚異的なスピードでしたね。また、2022年にアドミラルがスポンサーになったときには、ジュビロ磐田さんのファン・サポーターがすぐにアドミラルのウェアを着て応援してくれたことを覚えています。
  

また、アドミラルのECサイトではフットボールの商品も販売していますが、静岡エリアの人に多く購入いただいています。ジュビロ磐田さんのエンブレムがついていない商品も購入されているので、アドミラルブランドとしても応援していただいていることを実感しています。
 

2025年シーズンもサポーティングカンパニーの継続決定


―― 今後、3社で取り組む予定のスポンサー企画やマーケティング戦略、また各社が目指すゴールについて教えてください。

増田 ジュビロ磐田として重視するのは、パートナーであるミツカンさんやアドミラルさんへの事業貢献です。また、ファン・サポーターもその取り組みを支持していることは明確です。今後は3社でのコラボレーションをさらに深め、即効性があり、ファン・サポーターにも喜んでいただける施策を実現していきたいと考えています。

根鈴 アドミラルもファン・サポーターの熱意に応える形で、ファン・サポーターの声を聞きながら、得意とするアパレル分野でコラボレーション企画を進めたいと考えています。これを通じて、アドミラルのまだ知られていない魅力を発信し、さらに多くの方にファンになっていただけるよう取り組んでいきたいです。

田中 ミツカンとしては、今後ファンマーケティングから事業貢献へと、さらにシフトしていきたいと考えています。「ファンに寄り添い続けるミツカン」を実現するためにも、新しい協業の形を模索しながら取り組みを進めていきたいです。

そして、取り組みから3年目となる2025年シーズンもサポーティングカンパニーとしてスポンサーを継続することを、1月27日に発表いたしました。今年は、“発酵性食物繊維“に着目したブランド「Fibee」を活用し、様々な企画を通じてチームを盛り上げていく予定です。これまでよりも3社のコラボレーションをさらに強化し、盛り上げていきたいと考えているので楽しみにしてください。

―― これからの更なる展開が楽しみです。本日は、ありがとうございました。