2022~2024年、カンヌ・ライオンズの速報記事をアジェンダノートに書いて、現地の様子や注目事例をレポートしました。2025年のカンヌライオンズは、どうだったのでしょうか?昨年までと同様の形で、速報をお届けします。
AI時代も「結局は、ヒトのクリエイティビティが重要」のメッセージ
こんにちは!多摩美術大学で広告論 / マーケティング論 / メディア論を教えている、佐藤達郎と言います。アジェンダノートでは2018年以来、カンヌライオンズのご紹介をしています。
ADKと博報堂DYメディアパートナーズで長年働いて、2011年から現職となりました。カンヌライオンズには2002年に初めて参加し、2004年には審査員も経験。その後も取材・研究・紹介を続け、なんとなんと今年で20回目の現地参加となります。
オープン前日の日曜日夕方、急ピッチで準備が進む会場。
カンヌライオンズ(正式名称はカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル)は、今年で72回目となる、世界で最も影響力を持つ広告・マーケティングの祭典です。30の応募部門(「ライオン」と呼ばれます)を持ち、200近いセミナーを開催。1954年以来、長きにわたって世界の広告ビジネスやマーケティング・コミュニケーションをリードする存在となっています。
さて、この記事は、開催3日目=18日水曜日の午前中に書いています。まとまった形ではありませんが、ここまで自分が感じたカンヌライオンズ2025の姿を、速報の形でできるだけ生々しくお伝えしたいと思います。
会場メイン棟の地下では、事例ビデオや事例ボードを見ることができる。
自分にとっての今年のオープニングは、公式アプリのプログラムにも“Festival Opening Seminar”と書かれている、Apple社によるセミナーでした。その題名は「Human after All(結局のところ、ヒトだろ、ヒト!)」というものでした。
実態は、超テクノロジーの会社でもあるアップル社が、テクノロジーへのリスペクトを語りつつも、“結局はヒトだよ!”と言い放つ姿に、僕は目頭が熱くなるほどでした。カンヌライオンズ参加15分にして、気分はアゲアゲです。「やっぱイイよな、カンヌ」「ヒトの持つクリエイティビティこそが結局重要だよね」と心の中で叫び続けました(アガるの、早過ぎですかね)。
初日月曜日にセミナーのオープニングを飾ったアップル社のセミナー。
まだまだフェスティバルはこれからなので、また速報レポートを試みていきますが、ここまでの感じだと「AIに大注目」のような議論はあまり見られません。「AIは当然活用するけれど、結局のところ、ヒトのクリエイティビティだよね」という論調がほとんだだったように思います。
全体としては、今のところ、グローバルにおけるこの業界(クリエイティブ業界/広告業界/マーケティング業界/コミュニケーション業界)の勢いを感じるスタートとなっています。
世界から集まって来た同じ業界で頑張る仲間の熱気に興奮。