2つのの「いかがなものか?」を、あなたは超えられるか
さらに、このヒューモアを活用した事例を着想し、実施するには、2つの「いかがなものか?」と闘う必要があると思うのです。一つは、合意形成を取り実施する時の外からの「いかがなものか?」。もう一つは、着想する時の内なる「いかがなものか?」です。
場所がインドで、日本とは事情が異なるとは思われますが、とは言えインド鉄道は国有鉄道です。もし国鉄ではなく私鉄だとしても、この事例は非常にパブリックな案件です。そんな公共的なものに、宝くじの要素を入れるとなれば、関係者の誰かが「いかがなものか?」と言ってくることは容易に想像できます。
評判の良かったAnheuser-Busch InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ。コロナビールやバドワイザーを取り扱う醸造会社) のセミナー。
Anheuser-Busch InBevはビール会社。会場入り口では缶ビールの配布も!
それ以前に、あなたがこのインド鉄道の案件のプランナーだとして、このアイデアを思いつけるでしょうか?あるいは、いったん脳内に浮かんだとして自分の中で打ち消さず、チーム内やクライアントに対して提案するまでに持っていけるでしょうか?最初に考え始める時に、脳内の内なる「いかがなものか?」が発動して、思いつかない可能性も低くはないでしょう。
「チケットを宝くじ化する」という事例は他にもあったとしても、それを「無賃乗車」という重たい社会課題に使おうとは、なかなか思えない。少なくとも僕自身は、思いつかない可能性が高いです。
人気セミナーでは、入場するための列がクネクネと長蛇の列に。
日本人が登壇するセミナーも。写真は、味の素の方など。
カンヌライオンズを見ていると、日本の人は、総じてキマジメ過ぎると感じることが少なくありません。この手のアイデアは、しかめ面をして難しく考えても出てきづらいと思います。リラックスして、なんなら少しエヘラエヘラしながら考えてみる。そんな姿勢も、試してみる価値がありそうです。
このカンヌライオンズ2025の速報レポートもあと2回です。第3回目と第4回目も、なるべく早いタイミングで皆さんにお届けするつもりですので、楽しみにお待ちください!
会場からニース方向を眺めた写真。ビーチ沿いには、GoogleやMetaなどのカンヌライオンズ公式施設が居並ぶ。
今年ほぼ初めて登場した、事務局主催のビーチサイド・スペース。気持ちがいい場所なのに、なぜか知られておらず人が少ない。
会場外の赤絨毯の階段スペースで、贈賞式後まだ興奮冷めやらず、ライオントロフィーを掲げて喜ぶ受賞者たち。
今年はニッカウヰスキーさんが、街中のバーで公式イベントを。インダストリアルクラフト部門ゴールド受賞、おめでとうございました!
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