プチ移住の「これはやめておくべし」
では、「これはやめておくべし」と「困った時の対処法」について(1)~(3)として記しておきましょう。基本的には「こうするべし」の逆になるのですが、言語化してみたいと思います。
(1)日常の延長で“なんとなく”行かない。
ひと月は長いですが、あっという間だとも言えます。せっかくわざわざ「1.5拠点居住」にチャレンジするわけですから、いつもの拠点で過ごすのとは異なる、目に見える“善きもの”を手にしたいですよね。
(2)“いつものもの”がないことを嘆かない。足りないものには臨機応変に対応。
いつものプリンタ、いつもの書籍、いつものゲーム機、いつものカフェ、いつものお店。そういったものは、滞在先にはなくて当たり前と割り切りましょう。もちろん②に記したように、今やある程度は滞在先でもそれほど苦労なく補充が可能です。しかし逆に“いつものものがない”ことが別の価値に繋がることもあるわけで、そんなふうに積極的に捉えたいですね。
それと、資料も完璧には持ち込めないかもしれません。僕自身、論文(研究ノート)執筆に必要な、インタビューに関する自身の手書きのメモを持って行きそびれてしまい、途方に暮れました。でも、音声データがPCにあったので、それまで使ったことのなかった「全文文字起こし機能」アプリを活用してみて、事なきを得ました。何か方法を探して、臨機応変にトライするしかありません。

夜の美瑛町は駅前でも人影はまばら、車もあまり通らない。
(3)滞在先で引きこもらない。積極的に交流を試みる。
まずは、町の飲食店に積極的に出かけてみましょう。また、行政が移住者や移住検討者の集まりを主催しているケースもあるので、自分も“プチ移住者”として参加してみましょう。例えば、美瑛町では「美瑛樹」という集まりを組織していて、僕も会合に参加してきました。
- 参考:丘のまちびえい移住定住促進協議会(愛称:BIEIJU/美瑛樹)
https://town.biei.hokkaido.jp/move/kyougikai.html
そして、そうした人々とSNSで繋がると(僕の場合はFacebook中心)、いつもの居住地(例えば東京)にいる期間も、彼ら彼女らのその地での暮らしぶりが流れてきて、“気分の移住”あるいは“気分の0.5拠点居住”が実現できますよ。

さて、前編・中編・後編の3回にわたってお届けしてきた、北海道・美瑛町「1.5拠点居住」実践報告、いかがだったでしょうか?
あくまでも、これは僕の実践報告でしかなく、それぞれの人にそれぞれのやり方があると思います。プランニング系の皆さんの「より自由な住まい方・働き方」にとってのヒントに、少しでもなれたなら嬉しい限りです。

旭川市は札幌に次ぐ北海道第2の都市。夜景も都会的。

さらば、北の大地よ、美瑛町よ、また来るね。
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