音楽・動画・SNS メディア利用時間はZ世代が最多


 デジタルオーディオ広告事業を展開するオトナルは9月24日、Z世代のメディア接触の実態を探る「国内Z世代 音とメディアの利用実態調査」の結果を公表した。

 本調査は2025年6月、全国15~79歳の男女1万人を対象に行い、他世代と比較することで、Z世代の1日におけるメディア利用傾向を分析したもの。その結果、音楽・動画・SNSに接するためのメディア利用時間は全世代でZ世代が最多となった。

 音楽メディアの利用時間は若年層ほど長く、特に10代は43.2%が1日に1時間以上、音楽ストリーミングサービス等の音楽メディアを利用している。

 また、YouTube等の動画メディアにおいても同様の傾向が見られ、特に10代と20代では、半分以上(10代 61.1%、20代 51.4%)の回答者が1日に少なくとも1時間以上、動画を視聴している。

 SNS利用においても、10~20代と30代以上の年代との間では利用時間に顕著な差が見られた。特に10代の32.7%、20代の23.6%が、1日2時間以上SNSを利用している。

(図表1)音楽メディア利用時間(オトナル調べ)

(図表2)動画メディア利用時間(オトナル調べ)
 

高齢層に強いテレビ、Z世代も一定の視聴


 音楽・動画・SNSとは対照的に、テレビでは高齢層ほど視聴時間が長くなる傾向が出た。ただ、若者のテレビ離れが叫ばれる一方、10代と20代の過半数以上が1日に少なくとも30分以上視聴しており、若年層にも一定のテレビ需要があることがうかがえる。

(図表3)テレビ利用時間調査(オトナル調べ)
 

ワイヤレスイヤホンはZ世代に人気、音楽ストリーミングと動画が主流


 移動に便利なワイヤレスイヤホンの利用率は若年層ほど高く、10代の73.7%、20代の65.3%が月1回以上利用している。特に10代は43.7%と半数弱が「ほぼ毎日」利用していると回答。Z世代の日常に欠かせないアイテムになっているようだ。

 一方、50代では半数近くが「持っていない」と回答。年代間の普及には大きな差が現れている。

 また、ワイヤレスイヤホン使用中に利用されるのは、全年代で音楽ストリーミングと動画コンテンツが主流となっている。Z世代では、これらに次いでSNSやモバイルゲームが上位に。他の世代では、Z世代と比較してラジオの利用率がやや高くなっているが、ポッドキャストやオーディオブックは若い世代にも一定の需要があるなど、音声コンテンツの多様化・細分化が見て取れる。

(図表4)ワイヤレスイヤホン利用時のコンテンツ調査(オトナル調べ)

 オトナルは「デジタルネイティブであるZ世代はeコマースやストリーミングサービスを日常的に利用しており、現在の市場トレンド形成において重要な存在。彼らのメディア利用実態を把握することは、これからのメディアコミュニケーションを考える上で重要なヒントになる」とコメント。本調査結果は、音声メディアに触れる機会の多いZ世代とのコミュニケーションにおいて、音声を活用したマーケティング施策が今後、重要な選択肢のひとつとなる可能性を示唆していると言えそうだ。

※図表の出典はオトナル リリース、サムネイルの画像の出典は123RF