明日のマーケティングにおける計画とは
だからこそ、いまこそ問うべきである。明日のマーケティングにおける「アジェンダ(計画)」を映し出すものは何か。
それは、冒頭のピーター・ティールの問いと同じである。WPPのマーティン・ソレルにしろ、P&Gのマイク・プリチャードにしろ、彼らが指し示した新しい基準は、これまで楽観的だったデジタルマーケティング業界の人々の常識に疑念を呈するものだった。その意味で、多くの人々が反対する大切な真実を改めて見出すことだ。
同時に、逆も真なり。多くのアクセスを集めることで潤うフェイクニュースは嘘でできているが、数少ない広告主にとって大切なのは誰もが発信することができるというニュースの公正性にある。
ティールが示すように、未来とはまだ誰も発見していない大切な真実に似ている。多くの人は確かにそれを信じないが、確実に明日を変えていく。自動運転、人工超知能、宇宙開発、量子コンピュータなどが、それだ。
私がここに書いていく内容は、その意味で「未来へのアジェンダ」である。それは1年後かもしれないし、100年後かもしれない。ひょっとすると本当に明日かもしれない。
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マーケティング自体、せいぜい100年程度しか歴史のない新しい考え方だ。それは近代資本主義と呼ばれる、政治経済的な枠組みから生まれた子どものひとりだ。
だからいま改めて未来のアジェンダを考えていこう。これからのマーケティングの明日は、ここから書き換えられる。
そしてだからこそ、未来に期待するな。いまを捉えることに努力せよ。現在とつながっているからこそアジェンダである。それ以外は、ただの夢なのだから。
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