米国・ラスベガスで開催される、技術・製品の世界最大のショーケース「CES」。あまりにも規模が巨大で全体を把握することが困難であるため、重点的に見たエリアや来場者の知識によって得られる知見も千差万別です。そんな中、ここ数年視察をしてきた筆者が2019年のCESを振り返り、特に注目するトピックについての一視点をご提供します。後編では、モビリティ業界と5G、そして最後に特に盛り上がっていたAMDのキーノートについて取り上げます。CESを理解する上で少しでも助けになりましたら幸いです。
自動運転の世界に猛進するモビリティ業界
CES会場のうちコンベンションセンター北エリアは、モビリティ業界の集まる区画となったことで、近年モーターショー化しており、ほぼ同時期に開催されるデトロイトモーターショーから話題を奪い取るほどに盛り上がりを見せています。今後、自動運転技術の普及により自動車の存在意義が大きく変化することがほぼ確定的となっている中、今年のCESでもモビリティ業界は昨年同様の展示規模でしたが、車が主人公であるモーターショーの雰囲気は薄まってきているとも感じられました。
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現代自動車や起亜自動車のブースは特に極端で、もはや通常の自動車の展示は一台もなく、ほぼすべてが未来の自動運転車を模した体験コーナーと化しています。
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その構成システムの展示はモビリティ業界のエリアだけではなく、SamsungやPanasonicといったスペースにまで拡大をしており、自動運転にはならずとも部屋化は進めるという業界の流れを強く感じることができました。