「2次元検索」で、直感的な要望に応える
一休が打ち出した方針が「2次元の検索」だ。たとえば、Googleに「箱根 旅館」というキーワードを打ち込み、一休.comのページに遷移すると、箱根の宿をピックアップしたページに「いま一休で最も売れている宿」「源泉掛け流しが人気の宿」「食を堪能するオーベルジュ」などのテーマを表示。そこで好きなテーマごとにランキング形式で宿を見られるという流れだ。
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従来の検索は、キーワードに対してひとつの検索結果を表示していたのに対して、そこからさらに別の切り口を提示することから「2次元」と表現している。榊氏は、「キーワードに対して、当てはまる結果がすべて直線で並ぶのではなく、さらに新たな軸として個人の直感的な要望に応えた軸を加えることで、より要望に合った宿との出会いを後押ししたい」と狙いを話す。
さらに、Googleに打ち込む検索キーワードが異なれば、遷移した一休.comのページで表示されるテーマも変わる。「沖縄 ホテル」であれば、「オーシャンビュー」や「海外旅行気分が味わえる宿」、「沖縄本島で人気の宿」などが表示される。これはエリアや施設のジャンルによって、ユーザーが求めるニーズが異なるからだ。
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そうした軸となるテーマを100個ほど用意し、その中からエリアごとに、その時どきでホットなトピックを自動的に抽出するアルゴリズムになっている。さらに今後は、「箱根に泊まろう」などのランディングページにも、トップページで行なっているようなパーソナライズの要素も加え、検索結果をより個人に最適化していく予定だ。
榊氏が目指すのは、Netflixのような体験だという。「Netflixは作品タイトルやジャンル、俳優名などで検索できるほか、人気急上昇やイッキ見したい作品など別の切り口も用意されている。加えて、おすすめされる作品もパーソナライズされているため、直観的にいいなと思える作品に出会いやすい。一休が実現したい世界観と近い」と語る。