ミクが暮らす2030年の「EC通販と生活風景」
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いまや印刷技術の進化で、ほとんどの店舗に並ぶ商品にはRFIDタグが付いている。そのため、スーパーマーケットでの買い物はマイバッグに買いたいものを入れてレジ(ゲート)を通過すると、自動的に計算され、代金は顔認証から決済が終了している。
帰って家の冷蔵庫に買ってきたものを入れると、RFIDタグを読み取り、冷蔵庫内に入っているもののリストがドアのモニターに表示される。賞味期限の近づいたものは、赤信号が点滅している。
ある食品宅配ECサイトに登録すると、自動的に在庫が計算され、食品がなくなる直前に配達されるようだ。来月からミクは、このサイトに登録しようと思っている。
商品を運んでくるのは、ドローンだ。ベランダに設置してある冷蔵ボックスはドローンから発信される電波キーを受け取ると、自動的にドアが開き、ドローンが冷蔵ボックスに商品を置いて帰っていく。「みちびき」のGPSを使っているため、正確に配達してくれる。配達が終わると、ミクのスマートフォンに配達完了のメッセージが流れてくる。
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今日は、彼氏とデートの日だ。街へ行くのはデートと食事くらいで、買い物はほとんどECで済ませている。
街を歩くと、顔を認証したデジタルサイネージが、自分の好みのファッションや映画をレコメンドしてくる。気に入ったものにアップルウォッチをかざすと、購入サイトが表示される。途中でミクの好みのワンピースがあったのでスマートウォッチで注文しておいた。「これ注文しておいて」と頼めば、AIが注文完了するようになっている。
予約しておいたレストランに着くと、事前に指定しておいた窓側の席に案内された。ウェイトレス型ロボットだ。オーダーはすでに済んでいる。このレストランのシェフの食材に対するこだわりや、調理方法を学習したチャットボット・シェフと音声で会話し、この日に会う彼氏が喜ぶ料理を提案してもらった。