『So what?』は、見つけた芽に意味を見つけ出し伝わるようにすること
ここまでの話をもとに、最後にセッションのまとめがされました。富永氏は「2022年のマーケティングアジェンダのテーマである『So what?』は本質的な問いであるにもかかわらず、よくあるクリティカルシンキングの形式論としてしか捉えられないことが多いように思います。今回の議論はまさに『So what?』の本質です。さまざまなものから着想し、面白さの種を見つけてきて、そこからどうやったらもっと作品がよくなるかを考えることが重要です」と話します。
これに対して、佐渡島氏は「みんなが気づいてない面白いものの芽をどう見つけるか。そして、企画を考えるときは、誰かに書きたいと思ってもらえるかが重要なので、芽があるということをロジックとして納得してもらわなければ書いてもらえません。見つけた芽に『So what?』をするということは、意味を見つけ出せるかどうかです。これは個人の感想ではなく、思いつきや勘違い、思い込みを外部の人が納得できる情報を付加することができるかということです。そして、それをストーリーとして世間に受け取ってもらうように編集することが必要であり、その役割が編集者です」と語ります。
世の中に受け入れられるサービスは、すでに受け入れられている秘訣があるのに、それに気づかず消費者に合わせて他社と同じようなメッセージにしてしまう。みなさんは、知らず知らずのうちに、そのようなことをしていないでしょうか。
そして、単純に自社の魅力をそのまま伝えても、消費者には伝わりません。作家と読者の媒介である編集者、プロダクトと消費者の媒介者であるマーケターとの共通項を探すことによって、マーケティングを機能させるヒントが学べたセッションでした。
それでは、「マーケティングアジェンダ東京2022」レポートの第2回もお楽しみに。

- 1
- 2