鈴木 健氏
ニューバランスジャパン
マーケティング本部 ディレクター


 

古くて新しい議論ふたたび

 2026年のマーケティング展望というテーマですが、なかなか一筋縄ではいかないと思いました。ですので思いつくままキーワードと方向性を羅列していきます。もしそれ以上を知りたい方は来年以降お会いした時にでも話しましょう。


1. Broadcast vs Communication vs Distribution 
 放送と通信、そして配信は、メディアのテクノロジーが社会的な役割を与えられて変化し続けています。テレビ、モバイル、Webサイトなどの今の主要メディアの変化はその3軸の視点でますます混在すると考えられます。

2. Public vs Personal
 上記の放送は、公共や社会全般についての意義やメッセージにかかわりますが、一方で通信と配信はますますデジタルで個別化していきます。消費の観点からは個別化は避けられませんが、それに対抗して政治や倫理は公共の関心にも振れていきます。この二極間の振れ幅はますます大きくなるでしょう。

3. Digitalization(DX), Verbalization vs Physical Experience
 情報化または言語化は、デジタル化の波で旧来の価値を空間や時間を超えて可視化そして管理、最適化できるビジネスの理想を推進してきました。これが進むにつれてデジタル化されにくい物理的な体験や人間的な感情、感覚の価値がますますハイライトされる傾向にあります。デジタル化はそれをなるべく共通化・民主化しようとする動きが今後も続くでしょう。 

4. Authenticity vs Light-speed Trend 
 上記のデジタル化と同じですが、情報化できるということは複製品をつくりやすいということでもあります。旧来の高価値を持つ事業者はしたがってなるべくその真正性、本物を保持しようとします。それに対して情報化されたものをなるべく素早くタイムラグなしに提供する短期消費の代替品の波も同時に増えていきます。この両者のせめぎ合いによっては、旧来のものが駆逐されることにもなるでしょう。

 あえてAIをテーマにするのは避けましたが、これらの話は決して今の21世紀だけの話ではなく、古くからテクノロジー、メディア、消費、情報化の波の中で繰り返し議論されていたことのように思いますので、タイトルのように「古くて新しい議論」です。

 来年、2027年の展望を考えるときにも、この内容はそのままコピペできますが、詳細は変わっているでしょう。