少人数体制に課題


 BtoBマーケティング・セールスを支援するイノーバは9月5日、BtoB企業におけるマーケティング専任者が3人以内という少数体制で勤務する担当者110人を対象に実施したアンケート調査(※)のレポートを公表した。

 それによると、24.5%の担当者が「やりたい施策にほとんど手をつけられていない」と回答。「一部しか実行できていない」「半分程度は実行できている」の回答も合わせると、約8割がマーケティング施策を十分に実行できていないと認識していることになる。

※調査名称:「『戦略』と『実行』を両立するちょうどいい組織の実態」に関する調査
調査時期:2025年8月

(図表1)Q.自社のマーケティング施策の実行状況について一番近いものはどれですか。


 やりたい施策が十分に実行できていない原因についても聞いたところ、「担当者の業務量が多すぎるから」「人手が足りていないから」「施策の進行管理ができていないから」が上位になった。マーケティングに割かれるリソースが不足している状況が浮かび上がった。

 十分な施策実行のために「現在検討している取り組み」を聞くと、「既存社員のマーケティング研修・教育」と「マーケティング業務の外部委託」がいずれも28.2%で同率トップに。既存社員のマーケティングスキルを上げるか、外注か、いずれかの方法でリソースを調達することが現実的な選択肢となっているようだ。次いで「人材の採用」(25.5%)が続くが、人材採用の最大の障壁は「採用コストの高さ」にあると、6割以上の担当者が回答した。

(図表2)Q.自社でやりたいマーケティング施策を実行するため、現在検討している取り組みを教えてください。(複数回答)


(図表3)Q.人材採用を検討しているものの、実行に至っていない理由を教えてください。(複数回答)


 BtoB企業では、BtoC企業に比べてマーケティング部門に十分なリソースが割かれていないケースも多い。従来、売上の大半を特定の得意先企業に依存していたBtoB企業においてもマーケティングの重要性が増す今、施策を着実に実行するための体制の見直し・構築が求められると言えそうだ。


※図表の出典はすべてイノーバ
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