2025年5月、毎年恒例の若手クリエイター向け企画コンペティション「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2025」が沖縄で開催されました。日本最大級のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ」のプログラムの一つで、グランドメルキュール沖縄残波岬リゾートを舞台に、5月21日(水)から23日(金)の2泊3日で行われました。
本記事の執筆者は、このコンペでゴールドを受賞した、ディーイー × onehappyの二人。最終プレゼンを聞いていたマーケターの皆さんからも笑いが起こるほど好評だった企画が生み出された3日間の軌跡と、そこで得られた気づきを振り返ります。
本記事の執筆者は、このコンペでゴールドを受賞した、ディーイー × onehappyの二人。最終プレゼンを聞いていたマーケターの皆さんからも笑いが起こるほど好評だった企画が生み出された3日間の軌跡と、そこで得られた気づきを振り返ります。
ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2025 ゴールドの松木 啓と竹内 駿です。今後、参加される方に向けた体験記のつもりで書いていますが...沖縄ですこし手応えみたいなものを得てしまったので(偉そうですみません)、せっかくなので、3日間で見つけた「企画というものとの向き合い方」みたいなものまで書けたらと思っています。

DE
プランナー/コピーライター
松木 啓 氏
1993年生まれ。東京大学農学部水圏生物科学科を卒業。
2017年株式会社博報堂入社。3年間、ストラテジックプラニング職でリサーチ・コミュニケーション戦略立案業務に従事。
2020年より(株)カラスでコピーライターに。
2021年よりDE inc.で様々な仕事に従事。
ブランディングのコピーから、話題を巻き起こすPR企画まで幅広く制作可能。
~AWARDS~
ACC AWARDS 総務大臣賞グランプリ/SILVER/BRONZE
Young Canne22 SILVER/Young Canne23 BRONZE/
2021新聞広告賞コピー賞/ 販促コンペ協賛企業賞
プランナー/コピーライター
松木 啓 氏
1993年生まれ。東京大学農学部水圏生物科学科を卒業。
2017年株式会社博報堂入社。3年間、ストラテジックプラニング職でリサーチ・コミュニケーション戦略立案業務に従事。
2020年より(株)カラスでコピーライターに。
2021年よりDE inc.で様々な仕事に従事。
ブランディングのコピーから、話題を巻き起こすPR企画まで幅広く制作可能。
~AWARDS~
ACC AWARDS 総務大臣賞グランプリ/SILVER/BRONZE
Young Canne22 SILVER/Young Canne23 BRONZE/
2021新聞広告賞コピー賞/ 販促コンペ協賛企業賞

株式会社onehappy
グラフィックデザイナー
竹内 駿 氏
1994年生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業後、2017年株式会社アドブレーン入社。2025年よりonehappyに所属。グラフィックデザインを中心にポスター、CI / VI、パッケージデザインなど社内外問わず幅広く制作活動を行なっています。
~AWARDS~朝日広告賞2022,2023入選/ADC年鑑2023入選/メトロアドクリエイティブアワード2023グラフィック部門審査員特別賞など
グラフィックデザイナー
竹内 駿 氏
1994年生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業後、2017年株式会社アドブレーン入社。2025年よりonehappyに所属。グラフィックデザインを中心にポスター、CI / VI、パッケージデザインなど社内外問わず幅広く制作活動を行なっています。
~AWARDS~朝日広告賞2022,2023入選/ADC年鑑2023入選/メトロアドクリエイティブアワード2023グラフィック部門審査員特別賞など
1:代理店に勝て
最初に体験記のお話をいただいた時に、僕らのチームにしか書けないことを残しておくのがいいと思いました。
チーム対抗ではあるけれど、なんとなく「会社対抗」な側面があるヤング・クリエイティブ・アジェンダ。電博、ADK、Droga5にサイバーエージェント…よく知っている広告代理店に勝てるチャンス。
もちろん実際の仕事で勝つのが一番だとは思いますし、そもそも勝ち負けなのか?みたいなところはあるけれど、コンペなわけですし純粋な「企画力」で真剣勝負できる最高の舞台。沖縄といえど勝たないと楽しくない。というわけで「代理店に勝つ」をテーマにこの戦いは始まりました。
2:相方探しはSNSで
実はこのコンペで初めて出会った松木と竹内。松木から一方的にXでDMを送ったらまさかの快諾でした。2回ほど飲みに行って、3回目が本番の沖縄です。
マーケターとクリエイターの「マッチング」がコンセプトのこのコンペ、その前にクリエイター同士のマッチングも叶えられるのだなと思いました。初めての人を沖縄に誘うのはなかなかハードルが高そうですが、それはそれでいい誘い文句にもなるので、もし気になる人がいたら突撃してみるのもいいかもしれません。

3:沖縄最高
ろくに準備もしないまま、当日を迎えます。まず羽田空港がいいですね。竹内くんにいたっては、20年ぶりの飛行機という感動もの。そして那覇空港がいいですね。到着ロビーでは知り合い数人と「あなたも来てたんですね!」的な挨拶もして、楽しいイベントが始まる高揚感に当初の目的を忘れそうになります。
その後、バスで会場のグランドメルキュール沖縄残波岬リゾートに到着。プールもある、海もある。まったく企画を考えさせる気のない舞台に到着です。
4:注目集めるより、一目置かれる
到着して数時間後、夕方17時頃に課題が出題されます。お題は「ワッパーの純粋想起を強化しろ」。助成想起ではなく純粋想起。

お題は純粋想起とスクリーンに表示される
オリエン時の自分のメモを見返すと「音」と書かれています。純粋想起といったらやっぱり耳からすりこませること。ただ「名前の連呼とかではないからね」という出題者の釘を指す言葉にハッとしたのを覚えています。

オリエンを聞きながら、iPad に殴り書きしたメモ
声を張り上げてうるささで目立つのではなくて「あいつやるなぁ」とみんなが小さくリスペクトしているあの感じ。注目集めるパワープレイではなく、クラスで一目置かれてるやつになれってことだよなと思考を切り替えました。
なかなか言葉にはしづらいのですが、ワッパーの純粋想起はきっとそのあたりにいい企画がありそうだぞと感じながら40時間の戦いがスタートします。
5:なるはやアイデア出し
ほんとーーーうに時間勝負だと思ったので、アイデア出しの1周目をすぐに終わらせて、なるべく早く2周目にいくことを意識しました。
沖縄は誘惑が多いです。初日もBBQが用意されていました。「せっかくの沖縄」とふらっと遊びにいってしまいそうになる竹内くんを説得し、海辺をぷらぷら散歩しながら1回目のアイデア出しを2時間くらい。これがとてもよかった。初速大事。「まずまずみんなが考えそうな企画」の議論を早めに終わらせられたので、そこからはリラックスして臨めました。
<1日目>
17時:課題発表
18時:チームで企画出し
22時:参加者懇親会
6:話すテンポ
幸運なことに初日から2人の議論はぽんぽん進み、アイデアもたくさん出ていい感じ。いいねいいねと自分たちを鼓舞しながら「話すテンポが合っているのかもしれない」なんて自分たちのことを顧みる余裕すらありました。
松木・竹内ともにかなり早口。沖縄に流れるスローな時間を無視して、どちらもかなりのスピードでぺらぺらぺらぺら。この「話すテンポ」の同調が僕らのチームの強みだったと今思います。キーボードのタイピングと、ペンを持って手書きするのとで「道具の出力速度」が異なると頭の使い方も変わる、みたいな話をどこかで聞いたことがあるのですが、企画において「口」もそうみたいで、早口は早口同士で話すとすごいスムーズに企画が出せる。おかげで初日の深夜時点で議論し尽くし「本命1案」「化けるかもしれない1案」の2案に絞ることができました。
<1日目>
24時:部屋に戻って企画出し
26時:2案に絞る
27時:就寝