人は人にしか共感しない
中村 ここまでさとなおさんのお話を聞いて、共創とは、企業側が顧客になにかを仕掛けて創ろうとするものではなく、結果論であるように思いました。企業が行うべきことは、ファンとのつながりの中で生まれる共振や共感を観察することではないでしょうか。
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佐藤 まさにその通りで、ファンの共振や共感があってはじめて企業は顧客との「共創」に向かうことができるのだと思います。まずはファンから好かれている部分が何なのかをきちんと観察し、理解する必要があるでしょう。
また人はモノに共感はしません。人は人に共感するんです。つまり、モノの背景にあるつくり手の想いとか苦労、そういうことに共感するんですね。もしくは友人から勧められたモノであればその友人の想いに共感してその商品を買ったりします。企業側はモノに共感してもらいたいかもしれませんが、実はその裏側にある"人”が重要だと思います。
中村 共感は人と人とのつながりがあるからこそ生まれるものですね。
佐藤 そうですね。つまり、共感とは人と人との関係性なのです。商品やサービスを通して共感し合えるような幸せな関係性をいかにつくるかが、その商品やサービス、ブランドの本当の価値といえるのだと思います。
中村 今回は、価値共創において、「ファンベース」などの観点からお話を聞きました。さとなおさん、本日はありがとうございました。
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中村氏の対談後記
今回はファンベースを提唱され、電通時代から次の時代のコミュニケーションを考え続けられているさとなおさんに貴重なお話をお伺いすることができました。特に、次世代のAIによる現在のデータドリブンなマーケティングが終わるのではないかというコミュニケーションのあり方の変化の予測や、人生の幸福とは人とのつながりであるという『The Good Life』からの学びなどをつなげてのファンベースの重要性はとても説得力があると共に、多くのマーケターにとっても視座を上げてコミュニケーションを考える上での良い学びになったのではないでしょうか。お忙しい中、本当にありがとうございました!
今回はファンベースを提唱され、電通時代から次の時代のコミュニケーションを考え続けられているさとなおさんに貴重なお話をお伺いすることができました。特に、次世代のAIによる現在のデータドリブンなマーケティングが終わるのではないかというコミュニケーションのあり方の変化の予測や、人生の幸福とは人とのつながりであるという『The Good Life』からの学びなどをつなげてのファンベースの重要性はとても説得力があると共に、多くのマーケターにとっても視座を上げてコミュニケーションを考える上での良い学びになったのではないでしょうか。お忙しい中、本当にありがとうございました!