カインズが掲げる「金銭化のレシピ」
2つ目のキーノートセッションでは、カインズ CDOの池照直樹さんとCMOの石橋雅史さんが登壇しました。「話題化のレシピ」において重要なことは、事業における「金銭化のレシピ」であるという視点から、カインズがいかに新しい取り組みを実施できる組織をつくり上げていったかが紹介されました。
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カインズ CDO
池照 直樹 氏
日本コカ・コーラ、日本オラクルを経てケイ・ピー・アイ・ファクトリーを設立。Dynamics CRMのISVベンダーとしてソリューションを提供する。 のちにマイクロソフトに入社し、Dynamics CRMの開発チームの一員として、新機能の企画やロールアウト、大型案件のプロジェクトサポートを行う。 エノテカにおいて最新のテクノロジーを利用したOne-to-Oneマーケティングを実践後、設立30周年で「IT小売企業」へのビジネスモデル変革を掲げる株式会社カインズに入社。デジタル戦略本部立ち上げと同時に、本部長として経営改革プロジェクトの先頭に立っている。※現在は、日本ケンタッキー・フライド・チキン 常務執行役員 CDTO(Chief Digital Technology Officer)DX 推進本部長
池照 直樹 氏
日本コカ・コーラ、日本オラクルを経てケイ・ピー・アイ・ファクトリーを設立。Dynamics CRMのISVベンダーとしてソリューションを提供する。 のちにマイクロソフトに入社し、Dynamics CRMの開発チームの一員として、新機能の企画やロールアウト、大型案件のプロジェクトサポートを行う。 エノテカにおいて最新のテクノロジーを利用したOne-to-Oneマーケティングを実践後、設立30周年で「IT小売企業」へのビジネスモデル変革を掲げる株式会社カインズに入社。デジタル戦略本部立ち上げと同時に、本部長として経営改革プロジェクトの先頭に立っている。※現在は、日本ケンタッキー・フライド・チキン 常務執行役員 CDTO(Chief Digital Technology Officer)DX 推進本部長
はじまりは、2019年に池照さんが外部からカインズに入社しデジタル戦略本部を立ち上げたことです。まずは、スピード重視で各事業部長とコミュニケーションを密に連携しながら、デジタル組織の機能を強化することに注力しました。
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その過程で、カインズのアプリをクーポン配布のメディアとしての活用から脱却させ、お客さまの快適なお買い物を支えるアプリにリニューアルします。
さらに、現在では企業運営のオウンドメディアの代表事例のひとつとなった「となりのカインズさん」を立ち上げ、月間で500万PV以上を叩き出すメディアへと育てていくのです。
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カインズ マーケティング本部 執行役員CMO兼マーケティング本部長
石橋 雅史 氏
1996年株式会社カインズ入社。店長、販売部エリアマネジャーに加え、商品部バイヤー、同事業部長を経験した後に同社の特徴であるSPAの基盤となるPB開発のプロセス構築を行うプロジェクトにてリーダーを努める。こうした店舗・商品の両輪に深く関わったノウハウを活かし、21年より同社マーケティング本部長に着任、23年から執行役員CMOとして全社マーケティング活動を行っている。幼少時代から今に至るまでDIYが好き。
石橋 雅史 氏
1996年株式会社カインズ入社。店長、販売部エリアマネジャーに加え、商品部バイヤー、同事業部長を経験した後に同社の特徴であるSPAの基盤となるPB開発のプロセス構築を行うプロジェクトにてリーダーを努める。こうした店舗・商品の両輪に深く関わったノウハウを活かし、21年より同社マーケティング本部長に着任、23年から執行役員CMOとして全社マーケティング活動を行っている。幼少時代から今に至るまでDIYが好き。
その後2021年には、池照さんがCMOとしてサポートし、石橋さんがマーケティング本部を率いる布陣にシフトします。石橋さんがCMOになるための準備期間を設けたのです。
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そこから2023年には、石橋さんがCMO 兼 マーケティング本部長となり、商品・販売・マーケティングを三位一体で改革していくことになります。最終的な2024年には、すべてをCMOである石橋さんの下に統合することとなるのです。
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ここまで大規模な組織変革を6年間という期間で実行できたのは、外部から来た池照さんの視点と生え抜きである石橋さんが、CDOとCMOの立場として密にコミュニケーションを取ったことがポイントです。また、早めにサービスを立ち上げる側と、然るべきタイミングでそのサービスをスケールさせる側に役割分担し、さまざまな成功を積み上げてきました。
結果的に、カインズは「となりのカインズさん」のようなオウンドメディアだけでなく、バーコード決済のCAINZ Payや、オーダー家具プラットフォームのCAINZ DIY MARKETなど、世の中で話題になる新しいサービスを次々に生み出すことに成功し、経営にインパクトを与える「金銭化のレシピ」につなげています。
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「話題化のレシピ」とひと言で言っても、DAZNの笹本さんが提示されたように、スポーツによる感情が動くモーメントという瞬間にフォーカスするアプローチもあれば、カインズのお二人がお話しされたように、組織として新しい手段にトライするための体制づくりの重要性という視点もあるわけです。
あらためて企業のマーケターは、自社の情報設計の要素を俯瞰的に学んでいくことの重要性が高まっていると感じたセッションでした。
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