広告主がリテールメディアを選ぶ理由とは?
続けて松田氏は、広告主の立場から見たリテールメディアの価値について語った。
リテールメディアが持つ独自の優位性は、商品を購入した直後の瞬間「トランザクション・モーメント」にある。ユーザーの幸福感がインターネット利用時の中でも特に高く、SNS利用時の4倍に達するという調査結果もある。
ユーザーが購入プロセスに集中しているタイミングで配信する広告は、他のデジタル広告と比べてはるかに注目度が高い。さらに、EC事業者が保有する顧客情報を基に、関連性(レレバンシー)の高い広告を表示できる点も大きな強みだ。

この優位性を背景に、リテールメディアの市場は急速な成長を遂げている。サーチ広告が市場規模10億ドルから300億ドルへ成長するのに14年、ソーシャル広告が11年を要したのに対し、リテールメディアはわずか5年でこの成長を達成した。年間成長率は58%に達し、米国では2030年までに広告市場の半分を占めると予測されている。
Roktが提供する広告主向けソリューション「Rokt Ads」には、従来の広告手法にはない複数の強みがあると松田氏は述べている。まず、ファーストパーティデータの活用により、サードパーティCookieに依存せずにターゲティングが可能である点だ。これは、プライバシー規制強化やCookie規制が進む現代の広告環境においては大きなアドバンテージとなる。
次に、アドフラウド(広告詐欺)のリスクがないという点である。広告が実際に商品を購入した顧客にのみ表示されるため、ボットや偽アカウントによる不正な広告表示が発生しない。さらに、Roktと契約するEC事業者のサイト内でのみ広告が表示されるため、ブランドセーフティ(広告が表示される環境の安全性)も高いレベルで担保されている。
松田氏は、広告効果の持続的な向上についても強調する。AIによる機械学習が継続的に行われるため、時間の経過とともにターゲティング精度が向上し、広告効果が高まっていく。加えて、Roktではクライアントサクセスチームが広告主をサポートし、クリエイティブの最適化提案なども実施している。
「NRF 2025で私が体感したように、不確実性の高い時代において『ゲームチェンジャー』になるには、AIが助けになります。私たちRoktもAIの力で、EC事業者には付帯利益を獲得する競争力強化を、広告主にはリテールメディアによる顧客獲得の推進を支援させていただきたいと考えています」と語り、セッションを締めくくった。
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