背景にスポーツの「成長産業化」
博報堂は8月26日、グローバルスポーツビジネス市場への本格的な参入を目指し、著名なエージェントである団野村(だん・のむら)氏がCEOを務めるアスリートマネジメント会社Amuse Sports Holdingsについて、完全子会社の博報堂DYスポーツマーケティングを通じて株式の66.7%を取得し「博報堂アスリートソリューション」に商号変更したと発表した。今後はHAKUHODO Athlete Solution Inc.として、グローバルなスポーツビジネス事業を推進していく。
今回の買収の背景には、国内外のスポーツビジネス市場の拡大と、その急激な環境変化がある。コロナ禍で落ち込んだ国内スポーツ市場は回復・成長を続けており、スポーツ庁は「第3期スポーツ基本計画」(2022年3月策定)でスポーツの「成長産業化」を重要政策に掲げた。官民一体でスポーツ市場拡大に取り組む中、海外で活躍する日本人アスリートも増えていることから、MLBや欧州サッカーなど成長するスポーツ市場で豊富な実績を持つAmuse Sports Holdingsの専門性やネットワークを生かし、グローバルスポーツビジネスへの本格参入と事業成長を目指す考えだ。
Amuse Sports Holdingsの子会社であり、著名アスリートと多数契約を結ぶエージェント・マネジメント会社Athlete Solutionと米国法人のAthlete Solution USA Inc.は、博報堂グループとして事業を継続する。
ライツ領域も視野に
博報堂は「博報堂DYスポーツマーケティングが持つスポーツコンテンツ領域での事業ノウハウをはじめ、スポーツデータビジネスを手掛けるデータスタジアム等の多様なナレッジと、Athlete Solutionが持つアスリートエージェント・マネジメント事業でのノウハウやネットワークを掛け合わせることで、アスリートの持つポテンシャルを最大化させ、彼らのキャリアを多角的にサポートしてまいります」としている。今後はスポーツメディア事業・コンテンツプロデュース事業との連携を強化し、マーケティング・ライツ領域への事業拡張も視野に入れるという。
博報堂アスリートソリューションとAthlete Solution、Athlete Solution USA Inc.の3社のCEOは、博報堂DYスポーツマーケティング 執行役員の豊下哲氏が務める。
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