「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #10

サブスクリプションビジネスが日本で活況な理由。今後、求められる2つのテーマとは?

前回の記事:
「ママ向け市場」への対応を舐めてはいけない、拡大する通販ニーズ【ペンシル 倉橋美佳】

「サブスクリプション」とは、何だろう?

 最近、「サブスクリプション」というワードを耳にするようになりました。
絵・倉橋 美佳
 サブスクリプションとは、一定期間において定期的なサービスを提供するビジネスのことをいいます。サプリメントが毎月1カ月分送られてくる、そういった例がイメージしやすいと思います。皆さんも一度は、そのような商品を購入したことがあるのではないでしょうか。

 日本には、古くから定期購入や頒布会という文化があり、広く浸透しているモデルです。私が幼い頃、その月に合わせたお菓子づくりキットが毎月送られてきて、母につくってもらうお菓子がとっても嬉しかったのを覚えています。

 頒布会で有名な千趣会(1955年創業)やフェリシモ(1965年創業)も、60年以上前からサービスを提供しています。

 では近年、こうしたサブスクリプションが、ここまで注目をされるようになったのは、なぜでしょうか。
 

サブスクリプションビジネスの大転換と融合

 サブスクリプションモデルが話題になったのは、コンテンツのIT化に伴うものだと考えています。音楽はCDからSpotifyになり、映画はDVDからNetflixになったように、コンテンツビジネスのデジタル化&成長によって、毎月定額でのサービス享受が当たり前になってきました。

 今、話題になっているサブスクリプションビジネスは、この流れの延長線上で、商品そのものの定期購買だけではない、意味合いが含まれています。ここに含まれている意味合いが「コンテンツ」です。厳密な分類はないかと思うのですが、私はそのように捉えています。

 さらに、シェアリングエコノミーの普及で、サブスクリプションビジネスがコンテンツからサービスにも拡大しました。例えば、車や自転車、最近では家具や洋服のシェアリングサービスも出てきています。

 アメリカでは、サブスクリプションボックスと言われる、コンセプトに合わせて定期的に商品がボックスに入って届けられるサービスが人気です。
 
Birchbox サブスクリプションモデルの火付け役ともいえるのが「Birchbox(バーチボックス)」です。肌質や好みにあったコスメサンプルなどをボックスに入れて届けてくれるサービスで、気に入った商品は通販サイトで購入できます。2010年にスタートすると、女性に広く受け入れられ、世界にも展開をしています。
 
Try The World

 「Try The World(トライ・ザ・ワールド)」は、今とても人気があるサブスクリプションボックスです。ただの食品ではなく、毎月世界中の国をテーマに食品や調味料が届きます。その国にまつわる情報も一緒に届くので、その国の食文化に触れながら美味しい料理を楽しむことができます。

 このように純粋な商品だけでなく、コンテンツとして届けられることで、ユーザーは「商品+付加価値」を楽しみにできることがポイントのようです。

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