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「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #12

新規顧客の獲得に苦戦する時代だからこそ、フルファネルマーケティングが必要に

新規顧客獲得とCRMの関係性


 このような背景から、新規顧客の獲得に苦戦する状況となりました。だからこそ、これまで以上にプロモーションの設計を熟慮して、高度なコミュニケーションを取ることが必要となります。

 より高度なコミュニケーションが必要となるというのはどういったことでしょうか。

 そこで大事なるのが、最近、頻繁に聞くようになってきた「フルファネルマーケティング」です。

 フルファネルマーケティングとは、
・フル   = 全体
・ファネル = 購買プロセス
という意味です。AIDMAやAISASなど、購買プロセス全部を一気通貫してマーケティングすることが大事という考え方です。
 
絵・倉橋 美佳
 連載第5回の「CPA至上主義」でも記載しましたが、通販企業の組織体制では、新規のアクイジションチームと既存のCRMチームに分かれていることも多いです。しかし、それでは、フルファネルマーケティングを実施することが困難な状況も生まれています。

 認知から購買・リピートまでの流れの中で、商品に対する期待値をうまくコントロールすることも必要ですが、新規ばかりに力を入れてしまうと訴求が強くなり「期待はずれの商品だった」という購買後のギャップにも繋がりかねません。

 ユーザーは基本的に、商品に大きな期待をして購入します。そこで、より長く継続して使ってもらうためには、出会いの時点でユーザーの期待値をコントロールする必要があります。つまりCRM戦略は獲得後ではなく、獲得前までさかのぼって設計することが必要なのです。期待に応える動きは「購入後」では遅いのです。

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