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ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #07

日本は本気でオムニチャネルに取り組んでいない、世界最大ホームセンター「ホームデポ」から受けた刺激

日本版「オムニチャネル」はバズってすらいない


 「OMNI CHANNEL」(英語)というキーワードで、今(2019年4月)Google検索すると、7730万件ヒットしました。では、カタカナ(日本語)で「オムニチャネル」と検索すると、どうでしょう?

 387万件でした。「OMNI CHANNEL」の5%程度です。内閣府によると世界経済(GDP)における日本のプレゼンスは2010年には8.5%であり、2020年に5.3%まで落ちると予想されていました。言語の普及状況によりますが、たまたま近い数値になっています。

 さて、「OMNI CHANNEL」のヒット件数は、4年前に1700万件でした。今の22%です。一方で、「オムニチャネル」は190万件でした。

 これは、2019年までの4年間で世界が4倍話題にしているのに、日本は2倍にしか話題になっていないということでもあります。アフィリエイトブログで儲かるテーマでもないので、関心を持つ企業、「本気で」取り組む企業、成果を出す企業がないと上がらない数値でもあります。



 セミナータイトルや書籍で「価値創造」という単語をよく見ます。でも、残念ながら、中身が伴っていない抽象論に終始していることも多々あります。

 マスメディア、Webメディア、展示会などで紹介されるバズワードに惑わされずに、主体(自社の提供できるもの)と客体(顧客)の関係性を本気で調べて、考えて実行する。「価値」は相関概念なので、そうしないと創造できないわけです。

 筆者が前回、ホーム・デポを視察した2015年から4年間で、ホーム・デポの業績は約2.5兆円伸びています。前編で触れた通り、伸ばしている中で店舗は数店舗しか増えていないという事実は驚異的なことです。



後編では、直近の視察で見た進化について、書いていきます。
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