最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング

ユニクロの「レジ待ち行列」を解消したRFIDタグの威力

倉庫作業の圧倒的な効率化を実現


 次に、物流センター側のメリットを見てみよう。当社、物流センターでもRFIDタグを採用しているユニットがある。

 当初は、読み取りの感度調整にかなり苦労したが、現在は非常に効力を発揮している。
読み取りリーダーは他の商品の電波も拾ってしまうため、アルミシートで隔絶するように設置している。
 
スクロールの物流センター
 出荷検品作業において、50点の商品を一瞬で検品完了している。メーカーからの商品は、すべてRFIDタグが貼付されて入荷されるため、入荷検収も数十点を一瞬で完了することができるのだ。

 そしてRFIDタグは、棚卸でも威力を発揮する。何しろ1点1点、数える必要がないのだ。
棚はスチールだと電波が反射してしまうためにダンボールの棚での保管となる。



 現在はまだ、商品タグの重なりなどが障害で、棚の外からのリーダー読み取りでは精度が悪く、ひと棚ごとに棚卸を行っているが、将来は無人の「陸走ドローン」が夜のうちに倉庫を回って朝には棚卸が完了する日も近いと思っている。

 このように、最新の物流では「商品調達先のRFIDタグ貼付」から始まり、物流センターでの「入荷~保管(棚卸)~出荷」、店舗側での「検品・棚卸業務の省力化」といった、サプライチェーン全体を俯瞰したシステム構築が重要ということだ。 

 RFIDタグの普及が進展し、タグのコストが下がったときに大きな物流改革が到来することになる。

 最後に、ユニクロがRFIDタグとマテハン(=マテリアルハンド・作業機器)を組み合わせた自動倉庫の動画を紹介する。前回の中国JD.comの無人倉庫と比較し、物流の最新潮流を感じていただけたら幸いである。

 
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