「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #13
ITP対策と影響を徹底解説、大きな変革期を迎えるWebマーケティング業界
2019/06/13
ITPって、一体何?何に影響しているの?
ITP (Intelligent Tracking Prevention)とは、AppleのiOSに搭載されているブラウザ「Safari」に搭載された、サイトトラッキングの抑止機能です。
この影響を受ける国内ユーザーの割合は、当社がコンサルティングしている、企業のデータ(約1000万セッション)を見ると、最新のSafariを使っているユーザーが全体36%となっており、古いバージョンも含めると全体アクセスの50%程度であると考えられます(※ペンシル調べ、期間:2019/4/16~2019/5/15、調査対象:アクセス解析ツール「SmartCheetah」による約1,000万セッションのサーバーアクセスログ)。要するに2人に1人に関係する変更であることを理解してください。
1、強烈デビュー ITPのリリース
●3rd Party Cookieを24時間で削除する
広告計測は、「広告 → 媒体のドメイン★ → 広告主ドメイン」と、媒体ドメインを介して、注文に至ったかなどを計測していました。
この★の部分に、3rd Party Cookieという印を付けていたのですが、この★印はユーザーの動きを追跡するために利用されるなどの可能性があるため、24時間以内しか保有できなくなりました。
つまり、「24時間以内の注文などのアクションがなければ、コンバージョンの計測ができない」ということです。
2、さらに厳しくなるITP2.0
●3rd Party Cookieを即削除する
24時間以内は計測できるとされていたものが、即時削除と変更になりました。「広告→ 媒体のドメイン★ → 広告主ドメイン」の★が使えなくなるため、次のように変更を余儀なくされました。
「広告 → 広告主ドメイン★★」
コンバージョンの計測は重要なので、広告主ドメインに★★印をつけるようにしました。これが1st Party Cookieを利用する方法です。
3、現在のバージョンは、さらに厳しいITP2.1
●1st Party CookieでもJavascriptを使ったものは7日間で削除する
基本的にJavascriptという技術を使って、タグを発行しています。現在は、7日以上経過した場合のデータは、取得できないと考えたほうが良いです。
Apple公式発表では、クライアントサイドCookieと呼ばれるdocument.cookieを通じて、作成されたCookieの保存期限を制限するとしています。Javascriptを用いて発行するCookieはこのクライアントサイドCookieに該当するため、本記事では「Javascriptを用いたもの」と表現しています。
4、さらに追い打ち リリース予定のITP2.2
●1st Party CookieでもJavascriptを使ったものは24時間で削除する
今までの流れを考えると、この24時間もいずれ即時になっていくでしょう。この2.2のリリースは確定しているので、24時間経過以降のデータには大きな影響が出てきます。