「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #13

ITP対策と影響を徹底解説、大きな変革期を迎えるWebマーケティング業界

ITPって、一体何?何に影響しているの?


 ITP (Intelligent Tracking Prevention)とは、AppleのiOSに搭載されているブラウザ「Safari」に搭載された、サイトトラッキングの抑止機能です。

 この影響を受ける国内ユーザーの割合は、当社がコンサルティングしている、企業のデータ(約1000万セッション)を見ると、最新のSafariを使っているユーザーが全体36%となっており、古いバージョンも含めると全体アクセスの50%程度であると考えられます(※ペンシル調べ、期間:2019/4/16~2019/5/15、調査対象:アクセス解析ツール「SmartCheetah」による約1,000万セッションのサーバーアクセスログ)。要するに2人に1人に関係する変更であることを理解してください。
 
絵・倉橋 美佳

1、強烈デビュー ITPのリリース
    
●3rd Party Cookieを24時間で削除する
 広告計測は、「広告 → 媒体のドメイン★ → 広告主ドメイン」と、媒体ドメインを介して、注文に至ったかなどを計測していました。

 この★の部分に、3rd Party Cookieという印を付けていたのですが、この★印はユーザーの動きを追跡するために利用されるなどの可能性があるため、24時間以内しか保有できなくなりました。

 つまり、「24時間以内の注文などのアクションがなければ、コンバージョンの計測ができない」ということです。
 
絵・倉橋 美佳

2、さらに厳しくなるITP2.0

●3rd Party Cookieを即削除する
 24時間以内は計測できるとされていたものが、即時削除と変更になりました。「広告→ 媒体のドメイン★ → 広告主ドメイン」の★が使えなくなるため、次のように変更を余儀なくされました。

 「広告 → 広告主ドメイン★★」

 コンバージョンの計測は重要なので、広告主ドメインに★★印をつけるようにしました。これが1st Party Cookieを利用する方法です。
 
絵・倉橋 美佳

3、現在のバージョンは、さらに厳しいITP2.1

●1st Party CookieでもJavascriptを使ったものは7日間で削除する
 基本的にJavascriptという技術を使って、タグを発行しています。現在は、7日以上経過した場合のデータは、取得できないと考えたほうが良いです。

 Apple公式発表では、クライアントサイドCookieと呼ばれるdocument.cookieを通じて、作成されたCookieの保存期限を制限するとしています。Javascriptを用いて発行するCookieはこのクライアントサイドCookieに該当するため、本記事では「Javascriptを用いたもの」と表現しています。
 
絵・倉橋 美佳

4、さらに追い打ち リリース予定のITP2.2

●1st Party CookieでもJavascriptを使ったものは24時間で削除する
 今までの流れを考えると、この24時間もいずれ即時になっていくでしょう。この2.2のリリースは確定しているので、24時間経過以降のデータには大きな影響が出てきます。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録