「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #16
10月の消費税増税で企業が知っておきたいこと。対策を忘れていないですか?
2019/09/09
- 前回の記事:
- AI(人工知能)は、通販の売上アップに貢献するのか?
まずは消費増税の基本を振り返り
2019年10月、いよいよ消費税増税が行われます。現在の消費税は8%ですが、10%に変わります。
しかし、今回の消費増税は、軽減税率制度の導入やキャッシュレス決済の対応など、前回よりも複雑で考慮しないといけない点が含まれています。そこで10月を前に、知っておきたいことや対策をしておきたいことなどをまとめました。
消費税率は2019年10月に「標準税率10%」となります。これが基本的な税率となります。
この標準税率に対応して「軽減税率8%」があります。該当商品は、次のように定められています。
- 生鮮食品や加工食品
- 飲料(アルコールを除く)
- 持ち帰りするお弁当/出前や宅配
- 定期購読の新聞
家庭内で使用され、生活に必要なものは8%と定められています。サプリメントなど健康食品も「食品」扱いですので、軽減税率8%が適応されます。化粧品や医薬部外品は10%が適応されます。
消費税率引き上げに伴う経済対策のひとつが軽減税率であり、こちらは恒久的に行われる施策です。
その他の経済対策として、消費に大きく影響しそうなものが「キャッシュレス決済時のポイント還元」です。後ほど詳しく記載しますが、中小規模事業者限定で9カ月間、5%のポイント還元がされます。その他にも、2020年4月以降には、マイナンバーカード取得者にポイントを付与するという話も出てきています。
女性の買い控えが起きる可能性も
2017年に京都大学で行った「消費者心理実験」では、今回の10%増税のインパクトは非常に大きいという結果が出ています。
1997年にも3%から5%へと、2%の増税がありました。そのときと今回の増税は、同じような影響だと一般的に考えられていますが、この実験では10%への2%増税とは大きな差異があることがわかりました。
心理実験の結果から2%増税は、過去のものの1.4倍の消費縮退効果、つまり買わないでおこうという心理が働くことがわかりました。さらに、男女別の結果では、女性にとっての10%への増税は、過去と比較し2.9倍も縮退効果があるとわかりました。女性のほうが大きく買い控えを行うことがデータでは出ています。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
要因のひとつとして、10%だと頭の中で計算が簡単になり、消費税を含む総額を把握しやすくなるためとされています。確かにそうだな、と納得感がありますよね。
そういった背景や過去の消費税増税の影響から、駆け込み需要と買い控えなどの対策のため、軽減税率やキャレッシュ時のポイント還元対策が行われるのです。