ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #13

中国スーパー「盒馬鮮生」が、顧客から圧倒的に支持される理由がわかる1枚の写真

「フーマーであれば、安心してTKGができる」


 フーマーのPB「日々鮮」は、フーマーというブランドそのものだと言えます。どういうことかと言えば、前述の現地在住日本人の次の一言がすべてです。

 「中国では、その辺で買った卵でTKG(卵かけ御飯)はできない。フーマーであれば安心して食べられる」(良品計画 WEB事業部 部長 川名常海氏)



 食の安全性に不安のある中国で生卵が食べられるというレベルの信頼を勝ち取っているわけです。中国でも探せば、そういう品質の卵を扱う店舗もありますが、フーマーであれば、どの店舗でも安心して買えるということが肝心です。

 小売業の悪癖で「PB、PB・・・」と略して会話をするうちに、「自社マークの入ったそれなりの品質で安い商品」を連想してしまいがちですが、PBはPrivate Brandです。そう、Brandなのです。Brandを示す商品がどういうものかということは、小売企業そのものを表すものでもあります。

 小売企業であれば、「エモい動画でブランディング」するのではなく、まず取扱商品と扱い方でBrandを確立するのが正しい道だと考えさせられました。
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