現場起点のEC・物流最前線 #01
目指せ、ピタゴラスイッチ。EC・物流がいま熱い理由【市橋邦弘】
2019/09/26
ECは「デジタルゴールドラッシュ」なのか
そこまでしてECに取り組む企業が増えているのはなぜでしょうか?
今後の図表は、主に経産省の電子商取引に関する市場調査結果から引用していますので、ECを検討されている方はぜひオリジナルをご覧いただければと思います(ただし170ページほどあります)。
参考:「平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)経済産業省」
日本のEC市場規模は2018年時点で17.9兆円、EC化率は5.79%です。ECの伸びしろは、まだまだ高いと言えると思います。
当社でも受注の60%はインターネット経由です。一方でお客様に商品をみていただくメディアは、まだまだカタログも多いのも事実です。よって紙のカタログは今までどおり力を入れつつ、ネットでご注文いただくUI/UXを改善する試みを長年続けています。
また、ネットやカタログだけでは出会えないお客さまのために店舗も一部運営しています。言い古されたことですが、ECは手段であって目的ではなく、ECをやれば売れるという時代でもありません。
さて、分野別の市場規模をみてみましょう。市場規模の大きい順に「衣類・服装雑貨等」、「食品、飲料、酒類」、「生活家電・AV 機器・ PC・周辺機器等」、「生活雑貨、家具、インテリア」、「書籍、映像・音楽ソフト」で、これらは全て1 兆円以上の市場規模です。合計で物販系分野の85%を占めています。
一方でEC 化率については、高い順に「事務用品・文房具」(40.79%)「生活家電、AV 機 器、PC・周辺機器等」(32.28%)「書籍、映像・音楽ソフト」(30.80%)「生活雑貨、家具、インテリア」(22.51%)です。
自社商品はどの分野で、どれくらいECで購入されているのか、EC以外ではどのチャネルで購入されているのかを把握することがECを始める際の計画や目標設定に重要になります。
最後に、物流クライシスで話題になった宅配の個数。いくつだと思いますか?
国交省が集計している宅配便取扱個数は、平成29年度で42億個を突破しました。そして近い将来1.5倍の60億個を超えると言われています。ECの伸び代が高いにも関わらず、商品を届けるリソースが社会全体で足りていない。そこには物流のイノベーションが求められていると思っています。EC・通販物流を始めると避けては通れない、熱い社会課題ですよね。こちらも事業を通じて解消しようと思っていますので別の機会でご紹介します。
さて「なぜ、いまEC・物流が熱いのか」伝わりましたでしょうか?
金脈を掘り当てられるかわかりませんが、私はECが大好きなので引き続き掘りまくります。ECはみんな違ってみんないい。今回の記事で、私もECにチャレンジしたい!と思われた方が一人でも増えれば最高です。一緒に汗をかきましょう。
次回はECの立ち上げの現場で起きがちな、よくある課題とその対策について、事例を交えてお伝えしたいと思います。
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