ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #15

OMO時代、サントリー・Oisix・ビームスの「成果=営業利益」に繋がる顧客体験

登壇者、参加者も交えたディスカッションも実施


奥谷氏
「コンテンツとメディアが増え続ける中で、自社コンテンツをつくるという工数も今後どんどん大きくなっていく。お客さまはショッパーモードなのかユーザーモードなのかということを事業会社側も考慮しながらコンテンツをつくっていく必要がある」

・矢嶋氏
「顧客目線で見た時に日頃から接客をしてくれているスタッフのアドバイスをもとに洋服を選びたいという要望が多い。それについてスタッフコンテンツは機能している。ブランドコンテンツとスタッフコンテンツを組み合わせて、自社ECというプラットフォームの上で展開している」
 

パネラー、参加者同士のディスカッション


 ネプラスユーでは、会場が全て円卓となっており、テーブルに座った人同士での交流と議論も推奨されていました。そこで、このセッションではサントリーの「TOUCH-AND-GO-COFFEE」についてディスカッションしてもらいました。

・TOUCH-AND-GO-COFFEEでテーブルディスカッション



 タッチアンドゴーコーヒーについて、会場で挙手してもらうと2割程度の人だけ知っていました。仕組みとしては LINE から自分の好きな味をカスタマイズして注文してピックアップロッカーで受け取ります。この時のカスタマイズで名前やカスタム内容が印字されたボトルで出てくるのです。

 出来上がりを表現する時にサイネージで演出をすることによって、待たないキャッシュレスオーダーを超えた顧客体験を提供している事例です。

・会場参加者各位への宿題

 この事例を自分たちのサービスで応用したら、どんなことができますかと尋ねたところ、参加者のニューバランスの牧嶋氏からは、次のような意見が出てきました。

 「ニューバランスではブランドを愛する人のために、靴のカスタマイズをやっています。ただし、コーヒーのようにすぐ渡せるというわけにいかず、一カ月程度お待ちいただくことになっています。また、原宿店限定で T シャツのカスタマイズでき、好きなロゴやイラストなどを選べます。こうしたカスタマイズの課題として、ブランドとしてどこまで許容できるかという点があります。例えば、自社ブランド品に文字入れをできるようにしたとき、競合ブランド名を入れる人が出てくるリスクを考慮する必要があります」

 延長戦含めて、素晴らしいスピーカー3名により、当日セッションをご聴講いただいた方には、ここで記載できなかったことも含めてより多くのテイクアウェイをお持ちいただけたのではないかと思います。

 2020年の第2回ネプラス・ユーも楽しみです。
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