最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #05
インターネット通販 成功の鍵「桶の理論」「10億円の壁」を知っていますか?
2019/11/11
「10億円」の壁を越えるために必要なこと
インターネット通販には、「10億円の壁」という言葉もある。
それまで代表者が全部を見渡せて、バランスを保っていたネット通販ショップも10億円に迫ると、商品チームや販売チーム、業務チームなど分業になり、そのバランスが崩れ始める、と言われている。
ネットショップの発展段階別の課題をまとめたものが次の表となる。
私が推奨しているのは、育成期(5000万~1億円)の時点でマルチドメインとなった段階で、多モール対応の受注システムを導入することだ。
受注ソフトを入れずに売上を拡大した企業を何社も見ているが、モールごとに担当が付いてしまい、さらに業務が属人化して、アウトソーシングできない状態になっているケースが多い。
売上規模に応じてシステム化・アウトソーシング化していくことで「業務の見える化」「ルール化」ができるようになる。
そして「受注業務が見える化」していると、その後、受注処理のアウトソーシングが可能になる。さらに物流業務をアウトソーシングすれば、事業規模の拡大における業務量の増加をアウトソーサーが対応してくれる。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を上手に活用したあるネット通販企業は、10億円の売上が7倍の70億円となったが、従業員は15人から40人へと2.6倍で運営できている。こうした企業は、商品の撮影・採寸・コピーライティングから受注処理、物流までを外部のアウトソーサーに委託している。
ちなみに、前述の赤字を出してしまった、カタログ通販企業は翌年から部門リーダー会議を毎週行うようにした。
ダイレクトメールを発送するチームの情報を元に、日々の受注件数をデータ分析チームが行い、その受注予測に基づいてコンタクトセンター・物流部門の要員を手配し、仕入れチームが発注を行い、うまくいくようになった。
売上規模に応じて先手先手で打ち手を講じ、儲かるネット通販ビジネスを構築いただけたら幸いである。
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